...屋根船や船宿を知っている老人達は定めしこのモオター・ボートに苦々しい顔をすることであろう...
芥川龍之介 「本所両国」
...時節がらとて船宿の桟橋(さんばし)には屋根船空しく繋(つな)がれ芝居茶屋の二階には三味線(さみせん)の音(ね)も絶えて彼方(かなた)なる御浜御殿(おはまごてん)の森に群れ騒ぐ烏(からす)の声が耳立つばかりである...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...一同を乗せた屋根船は丁度今が盛(さかり)の上汐(あげしお)に送られ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...種彦は屋根船の中に揺られながら眠っているような心持もすれば...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...三艘(そう)の屋根船が音もなく流れて来て石垣の下なる乱杭(らんぐい)に繋(つな)がれているではないか...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...すると今までは人のいる気勢(けはい)もなかった屋根船の障子が音もなく開(あ)いて...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...片手には大きな螺旋(ねじねじ)の煙管(きせる)を持ち荒い三升格子(みますごうし)の褞袍(どてら)を着て屋根船の中に胡坐(あぐら)をかいていると...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...」言う言葉と共に海老蔵を載せた屋根船はおのずと岸を離れ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...この時候には滅多に見掛けない屋根船のもやっているのを...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見ると目ざす屋根船は碇(いかり)を上げて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...其處に繋いだ一艘の屋根船の中には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...堤の下の屋根船には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...屋根船の灯の半分を消して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すっと摺(す)れちがった屋根船から...
長谷川時雨 「牢屋の原」
...毎日水門(すいもん)から屋根船を出して...
長谷川時雨 「神田附木店」
...筋向こうの屋根船には当時の落語家番付で勧進元の貫禄を示している初代春風亭柳枝が...
正岡容 「小説 圓朝」
...かえって圓朝の屋根船を...
正岡容 「小説 圓朝」
...屋根船や猪牙(ちょき)の艪(ろ)の音を夕闇に響かせて帰りを急ぐ柳橋...
山本笑月 「明治世相百話」
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