...二人は一寸笑顏を見合せたまゝ互に井戸を覗く...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...細田氏の姿は一寸も現われることがありませんでした...
海野十三 「三角形の恐怖」
...私は一寸同僚に断って(S・K商会は非常に自由な制度だった)K氏と同道して...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...前にも一寸触れたように...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...内密(ないしょ)で一寸読んでみましょうか...
豊島与志雄 「反抗」
...先生の物らしい物がないとは一寸思つた所だつた...
中原中也 「引越し」
...寸燐(マッチ)は短かい草のなかで...
夏目漱石 「草枕」
...個人の個性に寸毫(すんごう)の注意をだに払わざるこの鉄車(てっしゃ)とを比較して...
夏目漱石 「草枕」
...神田から驅け付ける暇なんかありやしません」「ぢや品川の歸りつて寸法かい」友次郎は何處までからかひ面(づら)だかわかりません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一寸尋ねて来たンだけど……まるきり変ってしまってねえ...
林芙美子 「泣虫小僧」
...「金剛五郎」の幕あきは一寸凄い...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「寸時も離さず」といつてゐますが...
松本幸四郎 「大森彦七と名和長年」
...先きにも一寸述べた通り世間で左(と)や右(か)う云ふからどんなかと思つて居たらまだあんなものを書いて居る!五年も七年も其途に親んで居て夫れでまだ彼れ位のものだとすれば一層の事止した方が宜しからう...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...さっき一寸来た人の話...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「にんげんは一寸さきのこともわからねえ」と暫くして栄二が云った...
山本周五郎 「さぶ」
...東北の田舎へそれから一寸引っ籠っていました...
横光利一 「旅愁」
...寸刻も争えばとあって...
吉川英治 「新書太閤記」
...五尺七八寸もあらうかと思はれる大男で...
若山牧水 「山寺」
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