...娑婆(しゃば)世界は常寂光土(じょうじゃつこうど)にひとしい...
芥川龍之介 「道祖問答」
...永久に生死(じょうじ)を躍り越えて常寂光土(じょうじゃっこうど)に遊ぶことが出来るぞ...
芥川龍之介 「尼提」
...あの古代のパンの神に似たアナトオル・フランスのユウトピア(「白い石の上で」)さへ仏陀(ぶつだ)の夢みた寂光土(じやくくわうど)ではない...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...無辺の天や無量海、底(そこ)ひも知らぬ深淵(しんえん)は憂愁の国、寂光土、また譬(たと)ふべし、耀郷(げんようきよう)...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...寂光院の若い尼を主人公にして...
高濱虚子 「俳諧師」
...青い窓から無宿の神樣歌集「寂光」の會のくづれが東洋軒の地下室を出ると...
竹久夢二 「砂がき」
...そこに無限の寂寥と寂光の領土が見出されるやうにも思へた...
徳田秋聲 「水ぎわの家」
...「但惜無上道」が冷々たる寂光を浴びて...
中里介山 「大菩薩峠」
...かの寂光院へ入らせおはします...
中里介山 「大菩薩峠」
...マクベスの門番が怖(おそろ)しければ寂光院のこの女も淋しくなくてはならん...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...いきなり石段を一股(ひとまた)に飛び下りて化銀杏(ばけいちょう)の落葉を蹴散(けち)らして寂光院の門を出て先(ま)ず左の方を見た...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...そのうちに寂光院は姿も見えないくらい遥(はる)かあなたに馳け抜ける...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...抛(ほう)って置いて自然天然寂光院に往来で邂逅(かいこう)するのを待つよりほかに仕方がない...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...元来が寂光院(じゃっこういん)事件の説明がこの篇の骨子だから...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...妹は余の推量に違(たが)わず例の寂光院であった...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...寂光院の尼さんが...
吉川英治 「折々の記」
...寂光浄土(じゃっこうじょうど)の極楽(ごくらく)へ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...世を避けた歌法師はともかく、清盛のむすめ平ノ徳子(建礼門院、高倉帝ノ中宮、幼帝安徳天皇ノ母)が壇ノ浦の後、ここの寂光院に、三十の若さを送ったのは、あわれである...
吉川英治 「随筆 新平家」
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