...それから後は言わば自由の利かない人間を嬲(なぶ)り殺しにするようなものだった...
海野十三 「くろがね天狗」
...寝間着の裾(すそ)のさっとはだけた風の勢が私の鼻を嬲(なぶ)りました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...嬲(なぶ)り殺しに斬(き)り苛(さいな)まされた深手の傷のようにむずむず五体を疼(うず)かした...
近松秋江 「うつり香」
...イーンと露(あらわ)して嬲(なぶ)り殺しの止(とど)めでも刺すかのように...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...浪に嬲(なぶ)らせては逃げ逃げしていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...手や足やを嬲(なぶ)らせながら...
徳田秋声 「仮装人物」
...去年の蘆(あし)を風なきに嬲(なぶ)る...
夏目漱石 「虞美人草」
...ユラユラと岸を嬲(なぶ)つて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...やっぱり嬲り殺しにする考えがこんな夜におこるでしょうか...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...「貴女は私を嬲(なぶ)っているんじゃないんですか?」「どうして?」何と云う間の抜けた受太刀だろう...
林芙美子 「新版 放浪記」
...何と姿が見えるかと嬲(なぶ)る...
樋口一葉 「にごりえ」
...この女はおれを嬲つてゐるのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...屹(きっ)と困るであろうと嬲(なぶ)るのはチャント分(わかっ)て居る...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...邪魔立て致す分に於いては嬲(なぶ)り殺(ごろ)しだぞ」と真ッ先に叫び返した一人が大刀を真ッ向に振りかぶって手元に躍りこんで来るのを...
吉川英治 「剣難女難」
...例の所で嬲(なぶ)り殺し...
吉川英治 「剣難女難」
...何も居候の侍なんかに嬲(なぶ)り殺しにさせなくったって...
吉川英治 「剣難女難」
...お嬲(なぶ)ンなすっちゃいけやせんぜ」「洒落(しゃれ)たことをぬかすな...
吉川英治 「新・水滸伝」
...春風に嬲(なぶ)らせて閉じてしまった...
吉川英治 「柳生月影抄」
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