...彼のさきに感じてゐた嫌悪の情は...
芥川龍之介 「枯野抄」
...王ははげしい嫌悪の情を感ぜずにはゐられなかつた...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...人々に嫌悪の情を起こさせるというので...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...恋愛の決定的行為に対する潜在的な嫌悪の情は...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私はやけくそで、突拍子ない時に大拍手をしてみたり、ろくに聞いてもいない癖に、然(しか)りとか何とか、矢鱈(やたら)に合槌打ってみたり、きっと皆は、あの隅のほうにいる酔っぱらいは薄汚いやつだ、と内心不快、嫌悪の情を覚え、顰蹙(ひんしゅく)なされていたに違いない...
太宰治 「善蔵を思う」
...三十の年までには僕の青春がいっさいのものを征服してしまうに違いないんだ――生に対するいっさいの幻滅もあらゆる嫌悪の情も...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...嫌悪の情を隠そうともしなかった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...そしてその嫌悪の情からまた挑発(ちょうはつ)された...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ある嫌悪の情が起った...
豊島与志雄 「囚われ」
...彼女が彼とでき合った時のように嫌悪の情に満たされて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...市中の公園は徒に嫌悪の情を催さしむるのみなりしが...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...表通を歩いて絶えず感ずるこの不快と嫌悪の情とは一層(ひとしお)私をしてその陰にかくれた路地の光景に興味を持たせる最大の理由になるのである...
永井荷風 「日和下駄」
...活動写真に関係する男女の芸人に対しても今日の僕はさして嫌悪の情を催さず儼然として局外中立の態度を保つことができるようになっている...
永井荷風 「申訳」
...或る強い嫌悪の情で...
中島敦 「光と風と夢」
...息子が嫌悪の情を浮べてゐるのも知らないで...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...二つの大陸の国民がラ・メデュウズ難破事件の審判の結果を医しがたい不満と嫌悪の情をもって追懐していた折だったので...
久生十蘭 「海難記」
...嫌悪の情さえ起らないでぞっとするくらいである...
室生犀星 「庭をつくる人」
...全身で嫌悪の情をあらわしながら...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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