...わたしはほとんど、夢うつつの内に、夫の縹(はなだ)の水干の胸へ、ずぶりと小刀(さすが)を刺し通しました...
芥川龍之介 「藪の中」
...義雄と夢うつつで蒲團の引ツ張り合ひをした...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...朝夕を夢うつつの境に送り...
高村光太郎 「(私はさきごろ)」
...醉つて夢うつつに琴の音を聞いてゐたつて...
太宰治 「お伽草紙」
...彼等は夢うつつから飛び上らんばかりにおどろいた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...そのまわりを夢うつつの妄想が...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...彼は夢うつつのうちに自ら言った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...やはり夢うつつのところを彷徨しています...
中里介山 「大菩薩峠」
...チチコフが夢うつつでそれを鼻の中へ吸いこんで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...両眼は夢うつつだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...というのを夢うつつに聞き...
山本周五郎 「季節のない街」
...夢うつつに聞いているばかりで御座いました...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...夢うつつに敷布を噛み破ったり湯タンポを蹴り落したりしてね...
夢野久作 「支那米の袋」
...夢うつつの時間を過ごさねばならぬ...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...お前一人が杖柱(つえはしら)……なぞと夢うつつに申しておりますそうで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...思う存分に使って下さい」というような事まで夢うつつに口走るようになって参りました...
夢野久作 「霊感!」
...次の日も、夢うつつな、容態であった...
吉川英治 「平の将門」
...当然、取調べが始まる――(こんど曳き出される時には生命(いのち)がない)又八は毎晩、夢うつつに、あぶら汗をかいた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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