...即ち仏恩をも報ずる所以(ゆえん)だ...
芥川龍之介 「捨児」
...但し主として秋水幸徳傳次郎が相州湯ヶ原の温泉宿より拘引せられたるを報ずるのみにして...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...仙台発行の『河北新報』に報ずるところを抄記して...
井上円了 「おばけの正体」
...この理想を実現することに力を尽すが国家開闢以来三千年の皇恩に報ずるゆえんなりと私は信ずるのである(拍手喝采)...
大隈重信 「早稲田大学の教旨」
...矍然(かくぜん)として案を拍(う)って曰く「我あに一度は父讐(ふしゅう)を報ずるあたわざらんや」と...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...自分がつい死にもせず今日(こんにち)に至った経過を報ずる訳にも行かない...
夏目漱石 「思い出す事など」
...睚眥(がいさい)の怨(えん)は必ず報ずるという蚰蜒魂(げじげじだましい)で...
二葉亭四迷 「浮雲」
...胸の鼓動が近火を報ずる鐘のやうに...
牧野信一 「素書」
...彼の報ずるところに依りますと...
牧野信一 「附「歌へる日まで」」
...やはり黒板に「故郷に入学を報ずる文」といふやうな題が出て私は一行も書く気になれず...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...学問に専心し国に報ずるのが私の使命であると考え...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...私は夜の九時を報ずる遠い大時計の音を幽かに聴き入りつゝ...
松永延造 「ラ氏の笛」
...近年も諸大洋で見たと報ずる人少なからず...
南方熊楠 「十二支考」
...あることか、二三日のちの消息は、新男君(にひをとこぎみ)、うちつけに、その夜中より病して、妹背の契り、空しくも、うたかたとなり、永久に帰らぬ国へ、翌る日の十七日に、赴くと、逝(かく)れましぬと、云ふものか、報ずるものか...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...二讐(しゅう)一時(じ)に報ずるなり...
吉川英治 「三国志」
...以て三代の君恩に報ずるの日を誓って招来してお目にかけまする」その神妙な容子に...
吉川英治 「三国志」
...そしてそこに蓄えてある兵糧をどしどし漢中へ移送していると、たちまち、報ずる者あって、「たいへんです...
吉川英治 「三国志」
...恩を報ずること一人に限らず」というごときそれである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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