...ぶるぶる書きに書くようになっては却(かえっ)て俗臭堪えがたいものになる...
高村光太郎 「書について」
...上の姉さんは堪えがたいくらい厳粛な顔をした...
太宰治 「佳日」
...肋骨(ろっこつ)を一本失ったみたいな堪えがたい心細さを覚える...
太宰治 「花火」
...堪えがたい恐怖か憤懣がこの犬の脳神経中枢をいらだたせるものと思われる...
寺田寅彦 「柿の種」
...堪えがたいまでに募った壓迫感のため...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...あれほど多くの人の目が自分の上にのしかかってくることは堪えがたいものである...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...オリヴィエは堪えがたい羞恥(しゅうち)を感じてひきつづけられなくなった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼を焼きつくしていた堪えがたい熱はさめた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...堪えがたいほどの仕事をになっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...堪えがたい痛みを起こすのだ...
中島敦 「悟浄歎異」
...彼に取って堪えがたい苦痛であった...
夏目漱石 「道草」
...彼にはこの世の中に生れて来たことが不思議に堪えがたいもののようになっていたが...
原民喜 「冬日記」
...自分の胸からちょっとのあいだ堪えがたい苦痛の重みが取りのけられたくらいだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...肺臓の堪えがたい圧迫――湿った土の息づまるような臭気――体にぴったりとまつわりつく屍衣(きょうかたびら)――狭い棺のかたい抱擁――絶対の夜の暗黒――圧しかぶさる海のような沈黙――眼には見えないが触知することのできる征服者蛆虫(うじむし)の出現――このようなことと...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「早すぎる埋葬」
...作者にとって平静に眺めるには堪えがたい壮観であった...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...また堪えがたい寂しさも感じている源氏は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分の悲しみと同時に恋人の悲しむのを見るのは堪えがたい気のする督であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...おそらく兄の気持としては「甲辰の事」に由る本枝不和の問題はなによりも堪えがたい苦痛にちがいない...
山本周五郎 「新潮記」
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