...人民の事務を執る政府ではなくて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...とかく曇天つゞきで、日によつては白地の単衣もの一枚になつて、筆を執るやうな、残暑の逆襲を見ることもあつたけれど、そんな日でも、夕方になると冷たい風が吹いて、羊三はあわてゝ毛のシヤツを押入から取出したりした...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...今や一轉して壓威手段を執るの止むを得ざるに至れり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其後日々新聞に筆を執るに及でも...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其本の中に女が政治を執ることが書いてあるのです...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...或年三田の大学に教鞭を執る身となつた時...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...そうして自分の執るべき道はそうでなければならぬ...
夏目漱石 「模倣と独立」
...蓄財のためにはかなり悪辣な手段を執ることをも敢て辞さないと言ったようなところがある...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...わざとさり気なささうに無造作な行ひを執るのであつたが...
牧野信一 「裸虫抄」
...ペンを執るとすらすらと手紙を書き終わってそれを懐にしまい...
松本泰 「宝石の序曲」
...今では欧州で牛耳を執るというまでにて...
三宅花圃 「藪の鶯」
...名望ある柏軒に見(まみ)えて贄(にへ)を執るに至つたのださうである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...今日でも假名遣を教へる人は大抵さう云ふ手段を執るやうであります...
森鴎外 「假名遣意見」
...その方は校長先生に対して思い切った手段を執る事がお出来にならないのです...
夢野久作 「少女地獄」
...二つの間を出(い)でぬ手段を執るのみで...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...けれど――刑部はその後、自分も、秀吉の恩寵をうけて、一人前の男となると、必ずしも、自分を世に出してくれた三成が、傑出した人間とは思えなかった、才、正義、潔癖は認めていたが、何処か、冷たい理性家すぎる点を飽き足らなく感じていた、先輩として、恩人として、礼儀は執るが、好きになれなかった――どうしてもあるところ以上に深くなれなかった...
吉川英治 「大谷刑部」
...残務を執る所ともなって...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...執る道がなかった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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