...お前ひとつ算盤(そろばん)をおいてみろ」さきほどの荒い言葉の埋合せでもするらしく...
有島武郎 「親子」
...芸術品のために払はるる無意味の金嵩(きんがさ)は彼等の貧弱なる趣味の埋合せをしなければならない...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...埋合せに美人を生捕って来たな...
江見水蔭 「怪異暗闇祭」
...この埋合せをしているのである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...團體の爲に一時小さな室に追ひやられた埋合せに...
寺田寅彦 「伊香保」
...そうでもしなけりゃ、埋合せがつかん...
直木三十五 「寺坂吉右衛門の逃亡」
...もしそれだけの埋合せとして新領土の開拓に努むる処あらば...
永井荷風 「日和下駄」
...その埋合せの帰りがけの一仕事としては持って来いだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...こっちの鬱金木綿(うこんもめん)でけっこう埋合せがついたからもういいじゃないか」「なあに...
中里介山 「大菩薩峠」
...空しく流離の中に失はれた青春の埋合せの爲に...
中島敦 「盈虚」
...空しく流離の中に失われた青春の埋合せの為に...
中島敦 「盈虚」
...しかし、その埋合せに、蛇首と獅子首とは、死んだ山羊首のはげしさを全部彼等で引受けて、前よりもはるかにものすごく、火を噴き、しゅっしゅっと鳴き、そして吼え立てました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...積極的妨げが過度の力を振ってこれを埋合せているのである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...せめて当座の埋合せにしたいためである...
三木清 「読書遍歴」
...つまり大原に対する損を我々の方で埋合せるに違いない...
村井弦斎 「食道楽」
...その埋合せをあぶらやに頼んだところが...
矢田津世子 「凍雲」
...失策の埋合せはつくまい...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...旧悪の埋合せを取りに来ました...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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