...「そう云う因果な身の上なのでございますから...
芥川龍之介 「妖婆」
...何と云う因果なことだ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...大変因果な用事で出掛けるんですよ……え? 私が何故鉄道を退職(やめ)たのかですって?……いや...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...この因果なテンダー機関車にまことに運が悪いと言いますか...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...あゝ何事も因果なれや...
高山樗牛 「瀧口入道」
...亭主は足腰が立ちませんし母親は眼が不自由な因果な身の上で御座ります……...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...そうして飛び廻ってばかりしているのも因果な話」「どうも仕方がねえや...
中里介山 「大菩薩峠」
...その後、おりゃ、女という方にはさっぱり綺麗に、よくもここまで通して来たもんだ、悪い事ぁするが、その悪いことも性分でやってるので、意地でやるわけじゃねえんだ、因果なことに、盗むのが面白くって面白くって、世間が隙(すき)だらけで隙だらけで、だまって見ていられねえから、ついちょっと手が出る、手が出ると、足が物を言うので、ツイツイここまで盗みを商売にしては来たものの、その上り高で、道楽を一つするじゃなし、お妾(めかけ)を一人置こうじゃなし、時たま旨(うめ)え酒を飲んで、旨え物を食ってみるくれえが関の山なんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...此所にそう書いてありますよ」健三は因果な自分を自分で憐(あわ)れんだ...
夏目漱石 「道草」
...何んと言う因果な通り合せか...
野村胡堂 「黄金を浴びる女」
...――私ほど因果なものはございません」老巡礼の話は最初から涙で濡(ぬ)れました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私はこれまで凡ゆる場合にこの嚏のためには因果な難を被つてゐる...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...あれやこれやと自分ばかりを取巻いて因果な観念に襲はれてゐたのが...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...夜になると帰らずには居られない――何とも因果なことだよ...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...憂鬱な沼をのぞかうとでもするやうな因果な野望が潜んでゐたのかしら? そんな疑ひを持つたがそんな心の張りはなかつた...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...酷い目に遇つた習慣といふものは因果なもので...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...これはいわゆる天命で私はこんな因果な生まれであると観念しておる次第です...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...おなじく因果な別の難儀がアルカージイの身にもふりかかった...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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