例文・使い方一覧でみる「嘗める」の意味

...人間の脳味噌を嘗めるより外に死を免るる策なしと知るや... 人間の脳味噌を嘗めるより外に死を免るる策なしと知るやの読み方
芥川龍之介「北京日記抄」

...嘗める仮為（まね）をしたんだと云つた... 嘗める仮為をしたんだと云つたの読み方
有島武郎「お末の死」

...この下宿屋を遣つて今日の苦痛を嘗めることも亦文太郎からの勸めによつたとは言へ大部分は自ら好んで渦中に投じたのであつた...
高濱虚子「續俳諧師」

...加茂の光長は瓦盃（かわらけ）に残りすくなになった酒を嘗めるように飲んでいた... 加茂の光長は瓦盃に残りすくなになった酒を嘗めるように飲んでいたの読み方
田中貢太郎「庭の怪」

...一匙ずつ嘗めるように味わいはじめたが... 一匙ずつ嘗めるように味わいはじめたがの読み方
豊島与志雄「化生のもの」

...珈琲とコニャックとをちゃんぽんに嘗めるように啜った... 珈琲とコニャックとをちゃんぽんに嘗めるように啜ったの読み方
豊島与志雄「野ざらし」

...ようし、手前が、嘗めるんなら、俺は、齧るんだ... ようし、手前が、嘗めるんなら、俺は、齧るんだの読み方
直木三十五「南国太平記」

...「毛唐は、男と女と、人の前でも口を吸うというが、本当かの」「そういう犬のような真似を致す奴輩（やつばら）ゆえ、捨てておけんと申すのじゃ」「好いた仲なら、嘗（な）めもしようさ」「ははあ、師匠も、嘗めるか」「当り前さ」「何うして、嘗めるか、後学のために、拝見致したいものだの」一人が、肱を張って、富士春の顔を見た... 「毛唐は、男と女と、人の前でも口を吸うというが、本当かの」「そういう犬のような真似を致す奴輩ゆえ、捨てておけんと申すのじゃ」「好いた仲なら、嘗めもしようさ」「ははあ、師匠も、嘗めるか」「当り前さ」「何うして、嘗めるか、後学のために、拝見致したいものだの」一人が、肱を張って、富士春の顔を見たの読み方
直木三十五「南国太平記」

...引きゆがめられた微笑をもってそれを親しく嘗めるスポーツの内奥の愉悦は...
中井正一「スポーツの美的要素」

...ただ草を嘗めるというが... ただ草を嘗めるというがの読み方
中里介山「大菩薩峠」

...仙太郎はカフスボタンを嘗める習慣を持っているのですが... 仙太郎はカフスボタンを嘗める習慣を持っているのですがの読み方
野村胡堂「奇談クラブ〔戦後版〕」

...塔の一階から三階まで嘗めるやうに調べると――」ガラツ八がわめくのです...
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...交る／″＼出て來ちや頬つぺたを嘗めるんですもの... 交る／″＼出て來ちや頬つぺたを嘗めるんですものの読み方
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...井戸が深いので今までは墜ちこんでも嘗めるような水音しかしないのに...
林芙美子「風琴と魚の町」

...古へを持たず知らずと為ししかど昔のものの如く衰ふ古人の糟粕を嘗めるを屑しとしない故に私は古い物を持たない又それを知らないといつて新風を誇つて来たのである...
平野萬里「晶子鑑賞」

...時々かういふ不自由さを嘗める... 時々かういふ不自由さを嘗めるの読み方
柳宗悦「赤絵鉢」

...幇間が五重の塔の擬宝珠を嘗める「六升」（緑青）という得意の持話に満座腹を抱える... 幇間が五重の塔の擬宝珠を嘗める「六升」という得意の持話に満座腹を抱えるの読み方
山本笑月「明治世相百話」

...ジェローデルのドロップだよ』『何んにするんだ？』『だいぶ熱があるから風薬に嘗めるんさ』意表の悪戯に...
モウリス・ルブラン新青年編輯局訳「水晶の栓」

「嘗める」の読みかた

「嘗める」の書き方・書き順