...余程意地くね悪い人でゝもなければ彼女を悪(にく)むことは出来ない程善良な人でありました...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...最も善良なる外交を執(と)って往かなくてはならぬ...
大隈重信 「外交の方針」
...田舍の小學校で善良な生徒であつた頃...
竹久夢二 「砂がき」
...あの善良な狸がいつも溺れかかつてあがいてゐる...
太宰治 「お伽草紙」
...おそらく見ようによってはもっとも善良なる旧時代の残存者である...
寺田寅彦 「映画雑感(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...他人の軽微な苦痛を己(おの)が享楽の小杯に盛ろうとする不思議な心理がいかなる善良な人々の心の奥にも潜在することを教えてくれたようである...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...然し妻の俊子は善良な女だった...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...しかし彼は他人のためを計ってやるという善良な意志をもっていたし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...善良な官吏として彼らは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...とはいえ何という羊であるかよ!善良な司教は困惑していた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いろいろな善良な...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...ホホホホホ、ね、小倉さん、あなたはご自分が賢くって品行のいい、船のりには珍しい、堅い、善良な、そしても一つあるのよ、人類のためになる人間だと思ってるのね...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...あんな気性では皆から可愛がられるだろうと、よく妻は云っていたが、善良なだけに、彼は周囲から過重な仕事を押つけられ、悪い環境や機構の中を堪え忍んで行ったのではあるまいか...
原民喜 「翳」
...善良な夫人はヴィクトリーヌを日曜ごとにミサに...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...寧ろ半分は善良な心からであり...
松永延造 「職工と微笑」
...それがそれ自体高度に善良な天性の発露であることを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...天性善良な素質を豊に備えた少年少女でも...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...この男は見かけによらぬ善良な人物だと信用する気になった...
横光利一 「夜の靴」
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