...多少とも哀れには存じ候へども...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...言ひ難き物の哀れを一樣に味つてゐた...
石川啄木 「札幌」
...なるべく哀れつぽいところを見せて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...私は仙臺の我畑の胡瓜の蔓がとうに霜にうら枯れた哀れな姿と思ひ比べて...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...数代にわたる哀れな奴隷は...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...また孝次郎は生命を大切にこゝまで運んで來た自分の努力をも哀れになつてきてゐる...
林芙美子 「雨」
...ゆき子の大胆な生活が哀れにさへ思へる...
林芙美子 「浮雲」
...この哀れな万寿丸の舳(へさき)を目がけて...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...哀れなので...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...あたしの哀れな命の焼けぼっくいが...
火野葦平 「花と龍」
...」哀れなソフィヤ・イワーノヴナは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それはきつと秋の白露が木の枝から厩の軒に散りかかるのを見て物の哀れを感じたからであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...自分の陥っているこの哀れな状態からのがれようと努めた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...やはり学生の手紙と同じ哀れをそそります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...良清朝臣(よしきよあそん)などが家職の下役しかせぬことにも奔走するのも哀れであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...とめてもむだであると考えているらしいのが哀れに見られた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「どうかあなたの力で物怪が正体を現わして来るようにやってほしいものです」とも信頼したふうで言っているのも哀れであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...少し哀れを感じたように...
吉川英治 「江戸三国志」
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