...隣の薔薇(ばら)も咲き出すでしょう……遠いようだがまだ去年の事ですねえ...
有島武郎 「或る女」
...その直後にこの野原に美しく花が咲き出でると告げる...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...崩れ落ちた工場の廃墟(はいきょ)に咲き出た...
寺田寅彦 「柿の種」
...彼女はその土地から咲き出していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...菊の花萎(しお)るる籬(まがき)には石蕗花(つわぶき)咲き出で落葉(らくよう)の梢に百舌鳥(もず)の声早や珍しからず...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...美しい青芝の上に咲き出ている...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...桜花でも咲き出しそうな陽気が...
羽志主水 「越後獅子」
...今にも匂い出さんばかりに咲き出していたのであった...
久生十蘭 「魔都」
...あちらにもこちらにも白や黄や淡紫の小さな莟(つぼみ)がもう今にも咲き出しそうになっていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...陽気を違えて花が咲き出したりする...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...一日に一花(か)ずつ咲き出(い)でる...
牧野富太郎 「植物知識」
...山々はみどりのビロードを張りつめた様に牧場には口に云えないほどの花が咲き出して川の水も池の面も元気の好い太陽にくすぐられて微笑んで居る様に道にころがって居る小石にさえ美しさが輝き出してまるで小鳥の様に仙二はうすい着物に草履をはいてはそこいら中を歩き廻った...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...なお青春の花の咲き出でようとする年頃にあり・ギリシア第一の美男と言われた・あのアキレウスの方に愛する者の役目を与えたことを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...沙漠はよろこびて咲き出でる...
矢内原忠雄 「帝大聖書研究会終講の辞」
...そこで不思議な戦後社会の現象が菌(きのこ)みたいに咲き出してきた...
吉川英治 「私本太平記」
...くしや/\に咲き出すとまことに厭はしい...
若山牧水 「秋草と虫の音」
...といううちにも渓間の魚をば山桜の花の咲き出す季節と結んで思い出し易い癖を以前から持っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...今度は野菊が咲き出した...
若山牧水 「村住居の秋」
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