...作家が制作に没頭している時、そこには無我の楽土が広がっていて、神(しん)澄み、心和やかにして、一片の俗情さえも、断じて自分を遮りえないという、こういう境地に辿りつかないでは、うそだと思います...
上村松園 「苦楽」
...膝を崩してみると気持まで砕けて和やかになりました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...和やかな悦びの気に充ち溢れて...
薄田泣菫 「独楽園」
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立原道造 「萱草に寄す」
...阪神間ほど住み心地のよい和やかな土地はないように感じる...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それから和やかな微笑を浮べた...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...家の人達の気持が和やかになつて...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...一脈の和やかさが湧くのでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...十天気の和やかな折...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...和やかな影を持つた美型だつた...
牧野信一 「淡雪」
...美しき酌女(ウエイトレス)に関心を抱いて弄れるにしても多くの酒徒に和やかな落つきを持たせ...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...まことに適はしい和やかな雲り日続きであつた...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...どちらからともなく和やかなはなしをかけて...
牧野信一 「喧嘩咄」
...冬の訪れは小生の夢を和やかになぢませて...
牧野信一 「女優」
...稍ともすると和やかな独り言を呟くのが...
牧野信一 「南風譜」
...うつら/\と棚引いてゐるほどの和やかさなのだが...
牧野信一 「山彦の街」
...人が共同してイワイをしている静かな和やかな状態を...
柳田国男 「年中行事覚書」
...墨そのものに童顏の光りが和やかにこぼれてゐるからであらう...
吉川英治 「折々の記」
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