...和やかな額の上に分けた髮にも幾筋となく白髮が目に立つてゐた...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...それぞれみづからの生命を楽しんでゐる和やかさ...
薄田泣菫 「春の賦」
...だれにでもそれはお優しい和やかな眼の醒めるようにお綺麗な方であった...
橘外男 「逗子物語」
...にこにこした和やかな酒だった...
豊島与志雄 「囚われ人」
...元の明るい和やかさに返る様子もありませんでした...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...一脈の和やかな風...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ハルモニュウムが和やかな音で鳴りだす……シュウマンの〈聖(セント)フランシス物語〉...
久生十蘭 「だいこん」
...まことに適はしい和やかな雲り日続きであつた...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...和やかさうな顔つきで...
牧野信一 「好日の記」
...むつと噎せ返して来る和やかな陽(ひかり)にあをられると...
牧野信一 「心象風景」
...微妙な和やかさに沾んでゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...なるべくラツキーの脚並みを和やかに保つて...
牧野信一 「南風譜」
...さぞ疲れたことであろうと思って見ていると、その柔しい、和やかな面貌に、永遠の疲れ知らずの表現に心惹かれて、私でもうっとりするようになるのである...
正宗白鳥 「冬の法隆寺詣で」
...人が共同してイワイをしている静かな和やかな状態を...
柳田国男 「年中行事覚書」
...御当地はいつもこういう陽気でございますか」「御覧のごとく山国でござるから」頼母が誘われるように和やかな調子で云った...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...和やかな白帆の行く川尻を眺めていた...
吉川英治 「剣難女難」
...わが子をあやしていたあの和やかな父の笑くぼは...
吉川英治 「平の将門」
...真に君臣一家族の和やかな景色がそこここに眺められた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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