...そこらが第二大隊の警備地区になっていて、左雲に大隊本部があった」栄介は海面を眺めながら、広漠とした砂漠の中を列をつくって進んで行くトラック隊や、吹きすさぶ嵐や、左雲の街の状況を想像していた...
梅崎春生 「狂い凧」
...十月末の川風が唸りをたてて吹きすさぶし...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...おまけに師走なかばの空つ風の吹きすさぶ昨日今日の寒さには...
薄田泣菫 「独楽園」
...吹きすさぶ身を切るような風がしきりにおそってきた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...陰鬱な曇天(どんてん)つづきで木枯(こがら)しの風ばかり吹きすさぶ...
太宰治 「やんぬる哉」
...アイヌに古くから伝承されているユーカラ(詞曲)の中に大風が吹きすさぶ場面がよく出てくる...
知里真志保 「アイヌ語のおもしろさ」
...吹きすさぶ暴風が通りを吹き抜け...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...はげしい寒風の吹きすさぶ冬の夜のことであった...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...寒風の吹きすさぶ越後の冬の海のはげしさが...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...零下十度の寒風の吹きすさぶさなかに胸まで入って渡り...
久生十蘭 「新西遊記」
...吹きすさぶ嵐にその怒りを畏(おそ)れたりする気持ちは...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...冬の風四方(よも)に吹きすさぶ……錯誤両手にて抱(いだ)かんとし...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...吹きすさぶ嵐は鳴りも止まず...
吉川英治 「剣難女難」
...吹きすさぶ風花(かざばな)まじりの山颪(やまおろし)の下にその晩は夜営していた...
吉川英治 「私本太平記」
...こがらしの吹きすさぶ夜は...
吉川英治 「私本太平記」
...家庭即戦陣の――吹きすさぶ所のけじめない時代――を歩むにしたがい...
吉川英治 「新書太閤記」
...吹きすさぶ雪より冷たく...
吉川英治 「源頼朝」
...果てしなく暴風が吹きすさぶ邪悪にして計り知れない白い神秘へと深く深く突入していく彼のことを考えると私は怖気を震った...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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