...勝角力(かちずまふ)の名乗りでも聞きやしめえし...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...この時に候補者として名乗りを挙げたものは...
大隈重信 「選挙人に与う」
...――」と名乗りかけると...
太宰治 「惜別」
...養子に行って、新井姓を名乗り、孝次という名であったが、これが秀才で、大阪谷町の薄(すすき)病院の院長、大阪府会議長の薄恕一氏と、親友であり、早世して、非常に惜しまれたが、その為、この薄氏と親しくなり、殆(ほとん)ど育つか、育たぬか分らなかった私が、とにかく、四十三まで、生きて来られたのは、この人が居られたからである...
直木三十五 「死までを語る」
...お房四谷より君花と名乗りて再び左褄取ることになりしとて菓子折に手紙を添へ使の者に持たせ越したり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...先方の名乗りを受けて土方は何と言うか...
中里介山 「大菩薩峠」
...親子の名乗りをさせてお上げ申したいものだな...
中里介山 「大菩薩峠」
...酒によって悪いところが嵩(こう)じてきた白雲は、「米沢の吾妻山なんて名乗っても、米沢だけの天地では通るかも知れんが、他国の人に名乗り聞かせる場合には通らない、出羽の米沢の、謙信公の上杉家の、その家中の、何のなにがしと、お名乗りなさい、吾妻山なんていう山は名山図会(ずえ)の中には無い」「ふふん」児島なにがしが、冷笑して問題にしないから、田山白雲が躍起となりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...お松の耳には響きましたけれど――敵に名乗りをかけられて相手の独楽がいっこういらえがありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...福馬館とか名乗りましょうよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...われを世に類(たぐ)いなき美しき女と名乗り給え...
夏目漱石 「幻影の盾」
...永い間名乗りもせずに来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私が自分でその筋へ名乗り出る以外にない...
平林初之輔 「私はかうして死んだ!」
...病人がハーコートと名乗り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...小野川と対場し気勝ちとの名乗りを揚げられ面目を施した...
三木貞一 「初代谷風梶之助」
...「義弟(おとうと)、怯(ひる)むな」と、加勢にかかれば、また一方の側から、「われは劉備玄徳なり、呂布とやらいう敵の勇士よ、そこ動くな」と、名乗りかけ、乗り寄せて、玄徳は左右の手に大小の二剣をひらめかし、関羽は八十二斤の青龍刀に気をこめて、義兄弟三人三方から、呂布をつつんで必死の風を巻いた...
吉川英治 「三国志」
...小次郎は後で、(万一、逃げないまでも、武蔵がこっちの手にのらず、出て来ない場合にはどうするか? いっそ、お杉ばばに代って、名乗りかけ、意地でも、出て来ずにいられぬように仕向けるか?)二段、三段の策までを、その間に考えていると――突然、彼の想像を遥かに跳び越えて、戸外(おもて)の闇で、「――ぎゃっ」と、ただの肉声ではない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...米国に渡ってからは Nicholas Roerich と名乗りました...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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