...台所口を開けてください...
...あの人はいつも台所口に立っている...
...古い家にはすり減った台所口があった...
...台所口の鍵をなくした...
...台所口が閉まらなくて、大変困っている...
...玄関に出た古藤の所に台所口から貞世が飛んで来た...
有島武郎 「或る女」
...台所口をぬけるとむっとするほどむれ立った薔薇(ばら)の香りが一時に私を襲ってきた...
有島武郎 「フランセスの顔」
...その少女がいるために御用聴きの若者達が台所口を離れなくて困る...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「美人鷹匠」
...それなり知らん顔をしているのに、「――いますか」呼んでくれと言うかわりにとんまな声で言うと「――裏へ回って、上ったらいいでしょう」何かいやな臭いのする路地を通って、台所口へ回り、外さなければ開かないような建付の悪いガラス戸を開けると、朝野のらしい摩(す)り切れた下駄がそこにあった...
高見順 「如何なる星の下に」
...台所口、裏門の方は全部私鍵をかけておきましてございますが、それでよろしゅうございましたでしょうか?」「ああそうしておいてくれたら都合がいいな、ではお前にも気の毒だから、さ、少し早いようだが食事にしてもらおうかな!」かくてその給仕頭もやがて私の食事が済むと、これもまたソワソワと出て行ってしまった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...台所口から頭を低く何度も父に泣きついて来た時分のことは長姉の民子もよく知つてゐる程であつた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...息を切らして台所口を引き開けた...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...小里万造氏の台所口が遠くに見えた...
林芙美子 「清貧の書」
...台所口の戸を明けて...
平出修 「夜烏」
...ツイ障子一重(ひとえ)其処の台所口で...
二葉亭四迷 「平凡」
...台所口から庭へ出たところにイチハツの花があるのを覚えていらっしゃるかしら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お登和嬢もツイその話しに惹入(ひきい)れられて台所口より勝手の小座敷に入り何か風呂敷に包みたる皿のようなものを婆さんに渡して「ちょいと其処(そこ)へ置いておくれな...
村井弦斎 「食道楽」
...そして急に台所口から奥へ駈けこんだ...
吉川英治 「上杉謙信」
...もいちど卯木の台所口を覗いて...
吉川英治 「私本太平記」
...一家の者は台所口まで送って行った...
吉川英治 「新書太閤記」
...台所口に留まって見送り...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼女はわが家の台所口へ戻って来た...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...台所口の外から屋内へ駈け入ろうとする小林平八郎のすがたを見かけて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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