...何が口惜しいんだい? 相手にならなきあいゝぢやないか...
伊藤野枝 「惑ひ」
...この様に口惜しいことやら...
上村松園 「今日になるまで」
...今考えてもこんな口惜しいことはないのですが...
上村松園 「昔尊く」
...口惜しいことだがねえ」二人はしばらく沈黙に陥った...
海野十三 「地獄の使者」
...今年は口惜しいから...
江見水蔭 「怪異暗闇祭」
...考えてみると己(じぶん)が死んだ後で伊右衛門から乱心して死んだと云われるのはなおさら口惜しいので...
田中貢太郎 「四谷怪談」
...私に取ったら忘れられへん口惜(くや)しい口惜しい思い出あるとこですのんに...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...萩の老木は口惜しいほど欲しかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...「親分、口惜しいよ、女と思つて油斷をすると、いきなり突き飛ばしやがるんだ」「女に突き飛ばされたのを吹聽(ふいちやう)したつて手柄になるかい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...口惜しいが何んにも見なかつたぞ」「そりや惜しいことをした」「見付けさへすれや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...金澤町の平野屋の若旦那金之助――口惜しいがあつしぢやありません」「で?」八五郎の話術に引入れられて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...昨夜殺されましたぜ」「フーム」「口惜しいぢやありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...俺が讀んだ方が早く埒(らち)があきさうだ」「口惜しいことに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...口惜しいやら、情ないやら、馬鹿々々しいやら、恥かしいやら、……あんまり、腹が立つもんで、笑うてやろうと思ったら、どうしたわけか、眼から、水が出たんじゃ...
火野葦平 「花と龍」
...酒飲みのやうに思はれたりするのも口惜しい見たいな! ……いろ/\と若者は...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...笑はれては口惜しい)と...
牧野信一 「眼醒時計の憤慨」
...彼は口惜しいと思わないのだろうか...
吉川英治 「剣難女難」
...撲(なぐ)るぞっ』『若い娘なぞ、引ッ張りこんで、私を、不浄なんて、口惜しい、離すものか……』『うぬ、出て失せぬか』『出て行って、たまるものか』『よしっ』清麿は、力まかせに、突き出した...
吉川英治 「山浦清麿」
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