...十日ばかりしてやっと収まることは収まったが...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...風が漸(ようよ)う収まるのを待ってその忌(い)ま忌(い)ましい脆弱(ぜいじゃく)な家へ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...原稿用紙のコマの中へ字が一杯に収まるくらゐに書くのである...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...どうせ三人こないになったら無事に収まるはずあれしませんさかい...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...不連続線の狂風が雨を呼んで干からびたむせっぽい風が収まると共に...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...指輪が見つかったときその疑問も収まる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...一例を挙ぐれば中洲(なかず)と箱崎町(はこざきちょう)の出端(でばな)との間に深く突入(つきい)っている堀割はこれを箱崎町の永久橋(えいきゅうばし)または菖蒲河岸(しょうぶがし)の女橋(おんなばし)から眺めやるに水はあたかも入江の如く無数の荷船は部落の観をなし薄暮風収まる時競(きそ)って炊烟(すいえん)を棚曳(たなび)かすさま正(まさ)に江南沢国(こうなんたくこく)の趣をなす...
永井荷風 「日和下駄」
...雨はしだいに収まる...
夏目漱石 「草枕」
...その響が収まると前よりも倍静かになる...
夏目漱石 「坑夫」
...前年の二重政府的情勢もこれで収まるかに見えた...
服部之総 「尊攘戦略史」
...あらかじめ無事に収まる地震の分ってる奴等が...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...「君達だって今にのうのうと女房持って収まるとよ...
原民喜 「霧」
...いずれは彼の骨も収まるにちがいない...
原民喜 「死のなかの風景」
...それぞれ何処かの家の戸棚に収まるのだらう...
原民喜 「火の子供」
...いや如何(どう)しても敗北でないと収まる...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...怒りが収まると哀れな姿だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...そしたらその憤慨の情は収まるであらう――などと私を誘うた...
牧野信一 「彼に就いての挿話」
...あっしをどうなさるおつもりかね? どうしたらおなかの虫が収まるんですかい?」「ええ...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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