...今までよりいっそう深く厳かなおもむきを帯びてきた...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...裁判長は厳かな口調でこう訊いた...
モオパッサン 秋田滋訳 「墓」
...眼の下には夢で見たとおりのルフィノ寺院が暁闇(あかつきやみ)の中に厳かな姿を見せていた...
有島武郎 「クララの出家」
...』と老人はいかにも厳かな調子でいい...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...その厳かな支配の下(もと)に立つ...
夏目漱石 「門」
...ちよつと厳かな声を出してそこまで云つて切ると...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...あるいはもっと厳かな瞑想(めいそう)をそそる多くの事がらを――見出(みいだ)したのであった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...厳かな王冠の影に露(あらは)にして...
牧野信一 「青白き公園」
...端午の節句には三人の人手をかりて厳かな凧上げ式を挙行したものである...
牧野信一 「鱗雲」
...思はずその下に膝を突いて胸先に厳かな感謝の十字を切つた...
牧野信一 「鬼の門」
...サアシヤが可愛いの?」「あゝ」あの人は厳かな態度を粧はうとする...
水野仙子 「脱殼」
...厳かな死の手に、かすかに残った生のはげしく争う辛いはかない努力もしず、すなおにスンなりとその手に抱かれた――抱かれる事の出来たのは動かせない幸福な事である...
宮本百合子 「悲しめる心」
...朝夕に鳴る鐸鈴の厳かな音色...
室生犀星 「幼年時代」
...彼女は犠牲を捧ぐるときのごとく厳かなり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「実に何年ぶりでございましょうな」その厳かな千代田の大玄関に立って...
吉川英治 「江戸三国志」
...この厳かなきれいな気もちも...
吉川英治 「新書太閤記」
...厳かな閲兵(えっぺい)の後...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いや、そんなに、それじゃあんまりだよ、脛(すね)が見えるじゃないか」「綺麗(きれい)な脛だから」「誰も綺麗だなんて言やしない」「この小僧め」――年を取った従姉(いとこ)は、厳かな調子で、それとなく答える――「なあに、それならそれでいいさ、お前は人情っていうものを知らないんだ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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