...さうしてその炎の奧にはこの小さい拘泥を卑しむ哲學者の心が笑つてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...支配階級の「滅公奉私」の卑しむべき行為はアンドレ・モーロアの『フランス敗れたり』を一読する者のただちに痛感するところである...
石原莞爾 「戦争史大観」
...卑しむに堪へたるかれらの機能に対して...
富永太郎 「警戒」
...卑しむことはできませぬ」「それで――」左源太は...
直木三十五 「南国太平記」
...しかしてそは全く遠島に流され手錠(てじょう)の刑を受けたる卑しむべき町絵師の功績たらずや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...況んや当今の教育英学を尊んで漢学を卑しむ...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...こういう悪酒を作って売り出させようとする手段を卑しむのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...卑しむべきことだとも考えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この愛すべき雲助をかの卑しむべき折助と混同する奴さえある...
中里介山 「大菩薩峠」
...最も卑しむべき動物は百姓だ――これには強圧を加えるよりほかに道はないと...
中里介山 「大菩薩峠」
...最も卑しむべき動物は百姓だ――これには強圧を加えるよりほかに道はないと...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は彼等の物慾を卑しむわけではなかつたが...
牧野信一 「バラルダ物語」
...「幸福」を天才、高貴、愛嬌の一種とする見方、「不幸」をなにかみにくい、日の目をおそれる、卑しむべきもの、一言でいえば憫笑すべきものとする見方は、きわめて深くおれの心に根ざしているのだから、もしおれが不幸であるとしたら、おれはもうおれ自身を尊ぶことができなくなってしまうだろうと思う...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...これを卑しむとか...
三上義夫 「和算の社会的・芸術的特性について」
...その上自分は金錢について細かく云々する事を卑しむやうな教育を我家で受けて居たので...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...自分はその卑しむべき行爲の果實ではあり度くなかつたし...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...互にその卑しむ心を知り合つてゐる丈で満足して...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...鞍(くら)や鐙(あぶみ)を置くことくらい卑しむべきことはないので...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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