...竹屑やら鉋屑(かんなくづ)の中に腹匍(はらばひ)になつては...
石川啄木 「二筋の血」
...彼の生き物はひとりでのろのろと灰皿のところへ匍ってゆき...
海野十三 「生きている腸」
...地上に腹匍(はらば)っているような恰好の気球はもくもくと揺れていた...
海野十三 「空中漂流一週間」
...まるで生物のように此の室を匍(は)い廻ったんです」「ああ...
海野十三 「崩れる鬼影」
...換気洞(かんきどう)を上の方に匍(は)いあがり...
海野十三 「国際殺人団の崩壊」
...あらゆる方向に匍(は)い並んでいます...
海野十三 「太平洋雷撃戦隊」
...しずかに匍出(はいだ)した...
海野十三 「地球発狂事件」
...血に塗(まみ)れた乱れ髪が数本蛇(へび)のように匍(は)っている...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...ずんずん地面の土下から匍(は)いあがってきた...
海野十三 「○○獣」
...ソロリソロリと真暗な孔の中を匍い始めるのだった...
海野十三 「流線間諜」
...わたしのほとりに匍(は)ひよるみどりの椅子のささやきの小唄...
大手拓次 「藍色の蟇」
...だらりと卓上に匍(は)わせた...
谷崎潤一郎 「秘密」
...その日の落葉枯枝を集めて火をつけ高箒(たかぼうき)でのたうち廻って匍出す蛇...
永井荷風 「狐」
...更に水底を匍ふ鼠色の太い海蛇に至る迄...
中島敦 「環礁」
...そして稀々しくも地面を匍ふやうな微風が所々に生えた雑草などを揺るので...
中原中也 「その頃の生活」
...両手を使って物狂わしく膃肭獣のまわりを匍いだした...
久生十蘭 「海豹島」
...白粉の鬱陶しい香(にお)いと捌口のない炭酸瓦斯(ガス)の匍匐(ほふく)...
矢田津世子 「罠を跳び越える女」
...大急ぎでその方へ匍い寄って行って...
夢野久作 「一足お先に」
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