...而も、それは渠が樺太から有馬の家に着して、初めて、久し振りに、東京に於けると同じ樣なくつろぎを以つてそのからだを洗つたところである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そうして珍らしくも初めて口をきいた...
江見水蔭 「丹那山の怪」
...同時にまた松山の狭い天地を出て初めて大きな都に出たという満足の下にその千年前の旧都を飽きもせずに彷徨(うろつ)き廻る日も多かった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...生れて初めて恍惚(うっとり)とした会心の笑みを洩(も)らしながら...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...この陣痛を通りぬけて初めて...
豊島与志雄 「新たな世界主義」
...この光によりて初めて罪と暗黒の美を見出(みいだ)し候...
永井荷風 「夜あるき」
...死骸を引起して初めて梅吉どんと判りました」お仲の話はなか/\確りして居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...初めて屋根裏に寝た晩も...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...そこで初めて神様コンチクショウと呶鳴りたくなります...
林芙美子 「新版 放浪記」
...私は夢が覚めたように初めて気がついて...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...勝の初めての端午よ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...仙太 (涙と汗と砂ぼこりによごれた顔を初めて上げて皆を見渡して)……皆様もやっぱりお百姓衆とお見受け申しまする...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...明智敏郎が交つてゐたことを初めて知つた...
室生犀星 「神のない子」
...洪水から初めてのことで...
山本周五郎 「柳橋物語」
...おそらく、都会人の一円と農家の一銭とを同額としてみて、初めて、ようやぐ金銭に対する心遣いに均衡ある判断が下せるかもしれない...
横光利一 「夜の靴」
...公所の附近に真白な梨花が楡の木立に交つて多く咲いてゐるのは初めて観る美くしさであつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...初めて、切支丹族の仲間入りをしたわけです...
吉川英治 「江戸三国志」
...ここで初めて見るんだろうから……...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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