...もちろんこの矛盾を切り抜ける安価な妥協的思想もないことはない...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...この難関を切り抜ける気力がなくてはならぬ...
大隈重信 「我輩は何故いつまでもすべてに於て衰えぬか」
...金があれば田舎へすつ込んで鶏でも飼つてこの反動期を切り抜けるんだがなア...
武田麟太郎 「現代詩」
...この時局下を切り抜けるためには何とかしてその位置に齧(かじ)りついているより仕方がないこと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...この困難を切り抜けるために持ち出された一つの今から見て奇抜な考えは...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...女子どもを擁しては戦闘して切り抜けるわけにもいかず...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「曲れる者」
...を切り抜けるための資本主義の最後の手段である処の...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...しかし津田はこれでどうかこうかその場だけを切り抜ける事ができた...
夏目漱石 「明暗」
...「牧師になって困惑を切り抜けるように」と勧めるほかはなかった...
野村胡堂 「楽聖物語」
...万事は結局うまく切り抜けるだろう...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...なんとか胡魔化して切り抜けるか……)古田は叱咤した...
久生十蘭 「金狼」
...君がその冒険を無事に切り抜けるように...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...でもはったりで切り抜けるさ」グラントが椅子から立ち上がった姿は決意がみなぎっていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...切り抜ける事を悟れぬ愚かな男に過ぎなかったのであろうか...
松永延造 「職工と微笑」
...私もそれがこの押し黙ったところから切り抜けるために必要なような気がした...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...みんなで無事に切り抜けることは...
山本周五郎 「風流太平記」
...この特殊な千鶴子の母との苦境を切り抜ける自然の力だと思うのだった...
横光利一 「旅愁」
...惨憺(さんたん)たる逆境を今――いかに切り抜けるかに一人苦しんでいたのが...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索