...師匠の良秀がその騷ぎを冷然と眺めながら...
芥川龍之介 「地獄變」
...この騒ぎのうちにも冷然とたたずみながら...
芥川龍之介 「偸盗」
...自分の生活とは関係のない木か石ででもあるように冷然と尻目(しりめ)にかけた...
有島武郎 「或る女」
...冷然としたものだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...「それはお断りする」と四宮理学士は冷然と僕の願(ねがい)をしりぞけた...
海野十三 「階段」
...女は冷然とした顔をしていた...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...料理の勘定になると知らん顔で冷然と構えている態度が...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」
...ほとんど冷然と推理し得る不思議な能力を有するものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...表面は冷然として...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...彼の頭はこの露骨な打撃の前に冷然として相手を見下(みくだ)していた...
夏目漱石 「明暗」
...そうしてその中に冷然と二十世紀を軽蔑(けいべつ)するように立っているのが倫敦塔である...
夏目漱石 「倫敦塔」
...冷然と空を眺めていた...
久生十蘭 「金狼」
...その結果悶死するのを冷然と眺めて...
牧逸馬 「土から手が」
...冷然として皆の動くように動いているが...
三好十郎 「肌の匂い」
...ただその真下で冷然としている街区にすぎなかったことに気がついた...
横光利一 「上海」
...その中では、誰も皆、踵(かかと)が地につかないように歩いていたが、唯一人、高安平四郎だけは、終日(ひねもす)、冷然と、乾門(いぬい)の番衆小屋に腰かけて、人の噂に口を入れなかった...
吉川英治 「夏虫行燈」
...源次の苦しみを冷然と眺めていると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「…………」然るに頼朝は冷然と見ていただけで...
吉川英治 「源頼朝」
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