...併し俺は俺の愛が此等の一群にさへ行き渡り兼ねてゐる事を感じてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...」「ほんに待兼ねていなさったえ...
泉鏡花 「歌行燈」
...日本人は呑気ですよ」「併し」私はムラムラと湧起(わきおこ)る疑問を押え兼ねて云った...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...妻は自分達の食べ物を一人で働いてよそつて呉れる自分と子供とは待ち兼ねて手を出すこの朝は少しも寒いとは思は無い...
千家元麿 「自分は見た」
...オメガを身に兼ねて今あり後あり昔あり妙華花咲く池の岸シナイ雲湧く峯の上彌陀もエホバもとこしへの光のうちにほゝゑみぬ...
土井晩翠 「天地有情」
...元來はその官職は天子の言行でも自由に批判する役に居る人が兼ねて居つたのである...
内藤湖南 「支那史學史概要」
...それで卒業と就職との報告を兼ねて...
中谷宇吉郎 「鳥井さんのことなど」
...あいつはどうかしましたか」平次は耐え兼ねて訊きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分」ガラツ八はたまり兼ねて追ひすがりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...可哀想に」ガラツ八はたまり兼ねて助け船を出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...勘辨しねえぞ」喜三郎は重ね/″\のことに腹を据ゑ兼ねて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人をやつて訊(き)けばすぐわかることです」平次も見るに見兼ねて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その披露を兼ねて同僚...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...近所の人は待ち兼ねて見た...
森鴎外 「鼠坂」
...正月様どこまで何とか山の下までなどと待ち兼ねて子供たちが歌っていたのは...
柳田國男 「歳棚に祭る神」
...兼ねてから待ちかねて準備していた若林が時を移さず馳けつけて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...村長(むらおさ)の役目をも兼ねているせいか...
吉川英治 「三国志」
...兼ねて昼の弁当を無造作に喰べ終ると...
吉川英治 「新書太閤記」
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