...これは兼ねて噂(うわさ)に聞いた...
芥川龍之介 「杜子春」
...兼ねて許多(あまた)の俳優に喝采を博する機會を與へんことを勉めたるなり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...兼ねて労働争議の張本人であり...
江戸川乱歩 「五階の窓」
...その内の一人は事務所を兼ねている出札口へ這入って行った...
大阪圭吉 「白妖」
...電話申込人は何十人もつかえて順番の来るのを待ち兼ねている有様であった...
寺田寅彦 「話の種」
...「あ、待ち兼ねていた、ここへ通してもらいたい」駒井は読んでいた手紙を巻きながら、待っていると、「御免下さりませ」おかみさんに案内されてそこへ面(おもて)を現わしたのは、年の頃五十恰好で、しかるべき大工の棟梁(とうりょう)といったような人柄の男でありましたが、甚三郎を見ると急に改まって、「これはこれは駒井の殿様でござりましたか、これはお珍らしいところで、思いがけなくお目にかかりまする」恭(うやうや)しくそこへ両手を突いたが、驚きのうちにも、相当の親しみがあるらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...さすがの議長プロ亀も気がさす申しわけを兼ねての色どりと見えます...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分の力で決断し兼ねて...
中里介山 「大菩薩峠」
...たまり兼ねて持ち出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...皆川樣」平次は見兼ねて注意しましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あきらめ兼ねております」お新はそう言ってまた泣くのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見張りを兼ねて何にかの時の助勢に備(そな)へて居ることは確かでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...きわめて古いという性格とを奇妙に兼ねている低くて長い建物が...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...決心動かしがたしと見えたれば妾も否(いな)み兼ねて終(つい)に同氏の手荷物となし...
福田英子 「妾の半生涯」
...その頃九段下の玉川堂が筆屋と貸席とを兼ねておったが...
穂積陳重 「法窓夜話」
...これは小花と揃(そろい)とは言ひ兼ねてか口籠(くちごも)る愛らしさ...
森鴎外 「そめちがへ」
...ちょうど我が国の・屋根が地まで伸びて側壁をも兼ねている・あの納屋のようである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...すべてを兼ねてやっておりますので」「しからば申し聞かすが...
吉川英治 「江戸三国志」
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