...決定(けつじょう)致し兼ぬるとあるならば...
芥川龍之介 「邪宗門」
...生別死別を兼ぬる譯では無いでせう...
石川啄木 「雲は天才である」
...あはれや夕飯(ゆふめし)兼帶(けんたい)の臺(だい)の笊(ざる)に箸(はし)を投(な)げた...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...彼は医専の先生にしてクラス会の幹事を兼ねているのか...
太宰治 「惜別」
...兼家がそこで現をぬかして遊んでゐるといふのを聞いて...
田山花袋 「道綱の母」
...評論家兼任の作家でもない...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...そこで兼て藩から幕府に願って...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...購読者は益(ますます)喜んで見る事になったので兼て日本新聞やその他の各新聞で子規氏の俳風を広めていたが上に...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...兼次が藥貰ひに出た跡で手に餘る茶の葉をいぢつて居たのであるが強くなつた葉はいくら荒筵の上で押し揉んでも容易によりつからぬ...
長塚節 「芋掘り」
...園田敬太郎氏はたまり兼ねて一喝を浴せました...
野村胡堂 「女記者の役割」
...女主人お兼を中心に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...芳ちやん』此の時女は耐り兼ねて...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...人足(にんそく)の茶飲み所兼監督の詰め所の交番ようのものが「置い」てあった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...」彼が、見兼ねて、仲裁すると、あの男は、「ぢや御免よ、あやまるよ、ヘイヘイ、この通り...
牧野信一 「小川の流れ」
...青野があんなものを振り回してゐる自身の姿に此方の方には決して無いのだが惨めな滑稽感を抱き兼ねない怖れが想像されて――...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...河内屋は兼(かね)て取引(とりひき)をしてゐる家なので...
森鴎外 「大塩平八郎」
...兼の野郎が私を馬と間違えたと思うと矢鱈(やたら)に腹が立ちましたので……」「アハハハハ……イヨイヨ馬鹿だナ貴様は……」「ヘエ……でも私は恥を掻(か)かされると承知出来ない性分で……」「ウーン...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...その最も大なる者は神権と王権とを一身に兼ね備えた...
与謝野晶子 「既成宗教の外」
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