...彼謂三忠孝不二兩全一者...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...全一の調和に基ける文化の根本的発達の希望と...
石川啄木 「渋民村より」
...進んで全一のコスモス的美の世界像を創建せねばならぬ...
高村光太郎 「ミケランジェロの彫刻写真に題す」
...意識的に或いは無意識的に全一的の活動をしているのだから...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...全一的な一つの持続ぶりを示したものでない限り...
中原中也 「撫でられた象」
...要するにその陶酔の全一性といふことが全ての全てで...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...すなわち全一家を一様にあたためた点にあった...
中谷宇吉郎 「防寒戸」
...つまり貴方は普遍的な全一な神に近づいてゆくのです...
長與善郎 「青銅の基督」
...全一と個多との矛盾的自己同一的に事が事自身を限定することから世界が成立する...
西田幾多郎 「デカルト哲学について」
...一週間、全一週間、そのために寝たっきり呻いていた、足の傷の上にこの体を載せて、歩いたので、患部に夥しい充血を招いたのに違いなかった...
葉山嘉樹 「浚渫船」
...いいかえれば全一族は直系の子孫だけであり...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...むしろ全一体として纒(まと)めることを考えて...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...そして虚偽に属する全一連の暗黒な罪悪が直ちに生じてくる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...経験と思惟の全一の中から掴み出して育て上げた政治的イデオロギーの方が...
三好十郎 「恐怖の季節」
...彼に全一州を攻め滅ぼさせる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...シユーベルトの幾曲から黒人靈歌まで、全一時間聽いて、深夜を奧多摩へ歸るうちに、晝のコセついた神經や疲勞も、洗濯した夏のワイシヤツを着更へたみたいな輕い氣もちになつてゐた...
吉川英治 「折々の記」
...穀価が四磅(ポンド)であった時には全一八〇クヲタアは耕作者に帰属し...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...時にはかくのごとき全一の生がたとえば限りなく美しい木の芽となって力強く萌(も)えいでてくる不思議さに我れを忘れて見とれることもある...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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