...傲然とそり返っている船首を叩く波の音は絶望にむせび泣いているようであった...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...あの立派な髯(ひげ)を生(は)やして傲然(がうぜん)と構へてゐるパリの紳士が...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...わたしに向つて傲然(がうぜん)と構へてゐるのを見た時に――今になつて何もかもわたしの愚かさを正直に云ふのだが――わたしは三十余年前に...
犬養健 「愚かな父」
...あの鷹雄の傲然とした態度に相対すると...
犬養健 「愚かな父」
...貴下に分っていたら、是非教えて貰いたいのだが……」そこで僕は、さっき彼が僕にして見せたと同じように、傲然として、彼の頭から吾が耳をぎ取ったのである...
海野十三 「深夜の市長」
...彼れは傲然として飽くまで沼間と頡頏せむとせり以て其抱負の凡ならざるを諒す可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...白昼も傲然と巣の真中に逆様に控えている...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...街は後に残ってひとり傲然としていっていた...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...そして自分の帰るのを待って火鉢の前に傲然と構え込んでいるその姿を見るような気がした...
豊島与志雄 「生あらば」
...傲然として下に臨み...
直木三十五 「南国太平記」
...傲然としてこれに応対し得る強権の人...
中里介山 「大菩薩峠」
...傲然として圧服的にのしかかる女王様――閑寂なる秋の夜が...
中里介山 「大菩薩峠」
...一人の老婆が傲然(ごうぜん)と――誠に女王の如く傲然と踞坐(こざ)して煙草を吸っている...
中島敦 「環礁」
...傲然(ごうぜん)とした足つきで出ていった...
横光利一 「花園の思想」
...傲然(ごうぜん)...
吉川英治 「三国志」
...傲然(ごうぜん)...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...彼は傲然(ごうぜん)と身構えた...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...傲然と立像の様に直立してはいたが...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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