...また偶々(たまたま)僥倖(ぎょうこう)のある問題にゆき当ったという点もないわけではないでしょうが...
石原純 「キュリー夫人」
...五 『新著百種』――薄倖の作家北村三唖と天才露伴の『風流仏』硯友社の世間に乗出したのは『我楽多文庫』であったが...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...しかしこの成功が決して偶然の僥倖(ぎょうこう)によるものではなくてちゃんとした科学的な基礎の上に立つものであるということを知る人が少ないようである...
寺田寅彦 「北氷洋の氷の割れる音」
...薄倖児の救済はそれにも増して吾々自身に希望を与えるものがある...
戸坂潤 「社会時評」
...この詩人の薄倖(はっこう)を嘆じた...
中島敦 「山月記」
...万が一にも斯(この)民(たみ)を文明に導くの僥倖(ぎょうこう)もあらんかと...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...それでは社会に立って何の仕事が出来るかというに今までの不規律な乱世時代には僥倖(ぎょうこう)の成功もあったろうけれどもこれから先の進歩した社会には才子や豪傑ほど無用な者はない...
村井弦斎 「食道楽」
...この寂しい海べと薄倖(はっこう)な貴人とを考え合わせて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それならそれ以上の倖(しあわ)せはないとしても...
室生犀星 「津の国人」
...この不倖な家からすぐにも筒井を引き出すことが出来なかった...
室生犀星 「津の国人」
...せめてもの僥倖(ぎょうこう)としなくてはならない...
森鴎外 「渋江抽斎」
...万一の僥倖(ぎょうこう)以外に...
夢野久作 「暗黒公使」
...美味いものを食う方が人生倖せだと悟ったのだから...
横光利一 「旅愁」
...願うてもない倖せ...
吉川英治 「剣の四君子」
...まだ十九か二十歳(はたち)のお身で倖せ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...兄は今たいそう倖(しあわ)せらしく...
吉川英治 「新・水滸伝」
...僥倖(ぎょうこう)にも...
吉川英治 「源頼朝」
...わずかな禄米を――それも籤(くじ)を引くような僥倖(ぎょうこう)をたのんで行ったことになる...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索