...長窪(ながくぼ)の本陣(ほんじん)何某へ強請(ゆすり)に行ったりしたことを伝えている...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...下位の何某の婦の眉と同じということはない...
上村松園 「眉の記」
...砧これは九州芦屋の何某にて候...
上村松園 「謡曲と画題」
...戦時中どこそこにお住いの何某さんを探しています...
梅崎春生 「狂い凧」
...何某(なにがし)に扮(ふん)して月に歩きをり須(すべから)く月の一句の主(あるじ)たれ十月八日 観月句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...何某(なにがし)の院のあととや花菖蒲溝(みぞ)またぎ飛び越えもして梅落とす時過ぎて尚(なお)梅落とす音すなり六月二十一日 物芽会...
高浜虚子 「六百句」
...その何某先生が鬼のやうな醜悪の才能を持つてゐるといふ事実を暴露し...
太宰治 「お伽草紙」
...私はそんな何某などを相手になどしてやしない...
太宰治 「『玩具』あとがき」
...松前の何某といふ鳥居の寄進者の名が...
太宰治 「津軽」
...名刺には高等洋服店何某(なんのなにがし)と記してあった...
徳田秋声 「足迹」
...あれは何某(なにがし)の子でさ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ある日千々岩は親しく往来せる旧同窓生の何某(なにがし)が第三師団より東京に転じ来たるを迎うるとて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...何某といふ騎手を手込めにして大儲けを仕ようとたくらむでゐるといふことであつた...
牧野信一 「南風譜」
...さうして何某の内の柿を取つて食ふたといふ事を公言して憚(はばか)らないさうな...
正岡子規 「病牀六尺」
...よほどの名家でない限りは十代十五代前の祖先は何氏何某であったということも分らず...
柳田國男 「地名の研究」
...それの村の何某が家にと答う...
柳田国男 「遠野物語」
...一八 学問はいまだこの不思議を解釈しえざること嘘かとは思うが何郡何村の何某方と固有名詞が完全に伝わっている...
柳田国男 「山の人生」
...逃げながら『何某にここでころされてしにます』と足あとで印したといふのがあり...
横瀬夜雨 「春」
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