...何となしに煤(くす)んで...
石川啄木 「菊池君」
...加之ならず自分達が利慾的盲動や何よりも好きな不善の快楽を攻撃されるのが読書子側だから何となしに読書家を煙たがる...
内田魯庵 「家庭の読書室」
...何となしにうれしくなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...私は何となしに笑いたくなって声を出して笑った...
寺田寅彦 「異郷」
...何となしにうららかに賑わっていた...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...自分は已に尋常中學の頃から何となしに...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...まず何となしにばかばかしくなる...
中里介山 「大菩薩峠」
...やつれが見えて何となしに痛わしいが...
中里介山 「大菩薩峠」
...弁信が附いて行くことが何となしに心恃(こころだの)みになるし...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ早いから、誰もこの立場へ立寄ったものはないらしいが、火だけは、人がいても、いなくても、ひねもす夜もすがら燻(くすぶ)っているから、自然、何となしに、人間の温か味も絶えないように見えます...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを聞くと何となしに...
中里介山 「大菩薩峠」
...ローマンチックの道徳は何となしに対象物をして大きく偉く感じさせる...
夏目漱石 「教育と文芸」
...何となしに底気味のわるい空気が漂っていて...
野上豊一郎 「ヴェルダン」
...何となしにいそいそしました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...その街に泊つた旅人は何となしに粉雪の風情に誘はれて...
原民喜 「壊滅の序曲」
...いまも何となしに正三に安堵(あんど)の感を抱(いだ)かせるのであった...
原民喜 「壊滅の序曲」
...私は何となしに、また魯迅の作品の暗い翳を思い浮べるのであった...
原民喜 「翳」
...お園が何となしに引き入れられて...
水野仙子 「醉ひたる商人」
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