...この企図を細密に仕上げることはけだしカントの任ではなかったのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...もはやこれならば競争場裡へ出しても大丈夫であろうと思うまでに仕上げなければ生殖の目的を達したとはいえぬ...
丘浅次郎 「生物学より見たる教育」
...この画(ゑ)をお仕上げになるのに幾日(いくか)程お掛りでしたね...
薄田泣菫 「茶話」
...旧約聖書の「出エジプト記」の一部分を百枚くらいの小説に仕上げる事なのです...
太宰治 「風の便り」
...品子が朝のうちに仕上げた縫物を...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...「昨夜(ゆうべ)のうちに仕上げなければならない仕事が沢山あったのよ」と...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...給仕から仕上げたのだということを...
徳田秋声 「足迹」
...この評論を科学的な体系にまで仕上げたものがヘーゲルであった...
戸坂潤 「思想としての文学」
...こういう仕上げ仕事で...
中谷宇吉郎 「低温室だより」
...最後の仕上げの部分を検分するために入ってくる...
久生十蘭 「新西遊記」
...立派な男に仕上げて...
火野葦平 「花と龍」
...わしは仕上げの筆を終ろう...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...その気になればブラッシの二百や三百は一日で仕上げてみせるよ」良さんはそこで自信ありげに微笑し...
山本周五郎 「季節のない街」
...「もうちょっとだから本気で聞いてね」おのぶはそこそこに膳立てをし、坐るとすぐに云った、「栄さんがそう云うんだから、さぶちゃんが誰にも負けない仕込みをする、っていうのは嘘じゃないでしょ、栄さんはその糊を使って仕事をする、掛物にしろ屏風(びょうぶ)にしろ、仕上りがよければ栄さんは褒められるわ、いい仕上げだ、立派な腕だって、――そのとき糊を褒める人がいるかしら、この掛物に使った糊はみごとな仕込みだって、仮にも褒めるような人があると思って、栄さん」「おすえさんのことだってそうよ」とおのぶは調子を変えて続けた、「いまに栄さんのお店が繁昌し、賃仕事なんかしなくってもいいようになっても、それでおすえさんがいまより楽になるわけじゃないのよ、一家の切盛りをし、御亭主にいい仕事をさせるためには、賃仕事なんかするよりずっと大きな苦労が絶えない筈よ、そう思わない、栄さん」栄二はなにも云わず、湯呑を取って水を啜った...
山本周五郎 「さぶ」
...これは僕がこれから仕上げねばならぬ巻物で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...なるほど秀吉は新興の武士団の勝利を完全に仕上げた...
和辻哲郎 「鎖国」
...やがて博多の信者たちは自発的にこれを修繕して立派な会堂に仕上げた...
和辻哲郎 「鎖国」
...準備工作を仕上げたのであった...
和辻哲郎 「鎖国」
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