...たった一人仇打ちの途(と)に上(のぼ)った...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...葉子は黒い大きな事務長の後ろ姿を仇(あだ)かたきでもあるかのように鋭く見つめてそろそろと歩いた...
有島武郎 「或る女」
...同業者はもちろん仇敵(きゅうてき)だ...
伊藤左千夫 「去年」
...それに彼等を国へつれて帰って絞首台に送るのは親切が却って仇になるようなものであったろう...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...仇敵視(きゅうてきし)されているような...
太宰治 「わが半生を語る」
...自分の夫人に対してまるで仇敵(きゅうてき)のごとき伯爵の眼であった...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...あんたあの人の仇名(あだな)知ってる?」いいますよって...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...目下(めした)の仇敵を討つことは...
直木三十五 「南国太平記」
...私はまだ死んだ弟の仇打をしなければならないと...
中原中也 「亡弟」
...嘗つてありし仇めかしさも艶やかさも消え失せて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...メヅサを殺された仇を討とうとして...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...――目マルとは俺の仇名だつたのか! と私は気づいた...
牧野信一 「創作生活にて」
...それが右の眼との調和を欠いて、度ぎつく光るさまなども、その仇名の、一因かと私は思つたら、おかくの父がもと/\左ういふ仇名で、彼は祖父に好く似てゐるといふところから子供の時に既にぶくりんと称ばれてゐたとのことでした...
牧野信一 「月あかり」
...暮方より人に呼ばれける(風呂屋女に仇名(あだな)を付けて猿というは垢をかくという意となり)とあり...
南方熊楠 「十二支考」
...仇六 乗せてくれるんか? ホンマか...
三好十郎 「妻恋行」
...ぬきんでた才腕が仇(あだ)となったわけである...
山本周五郎 「落ち梅記」
...仇が江戸にいるという手がかりを得たが...
吉川英治 「剣難女難」
...なにも仇同志(かたきどうし)じゃあるめえし...
吉川英治 「神州天馬侠」
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