...殊に仁王門(におうもん)を這入って右手(めて)の、五重の塔、経堂(きょうどう)、ぬれ仏、弁天山(べんてんやま)にかけての一区劃(くかく)は、宵の内からほとんど人通りがなかった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...浅草観音の五重の塔の模型を商売ものの純金でつくらせ...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...床の間に安置してあるものと寸分(すんぶん)ちがわない五重の塔が...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...五重の塔男は、ぐんぐん、奥へはいっていって、動物園のてまえを、左の方へ曲がりました...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...蟻の道塔より墓地に続きけり 楽山蟻の道本堂まで厨(くりや)より続きけり その女「五重の塔より」とか「塔の下より」とかいうのは沢山ありましたが...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
......
内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...五重の塔や、石燈籠(いしどうろう)や、石橋や、朱塗(しゅぬり)の欄干(らんかん)にのみ調和する蓮の葉は、自分の心と同じよう、とうてい強いものには敵対する事の出来ない運命を知って、新しい偉大な建築の前に、再び蘇生(そせい)する事なく、一時(いっとき)に枯れ死して、わざわざ、ふてくされに、汚い芥(あくた)のようなその姿を曝(さら)しているのであろう...
永井荷風 「曇天」
...白砂糖と牛乳で五重の塔を作るに至っては...
夏目漱石 「草枕」
...本堂は傍(そば)に五重の塔を控えて...
夏目漱石 「行人」
...高柏寺(こうはくじ)の五重の塔(とう)が森の上へ抜(ぬ)け出して針のように尖(とん)がってる...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...出刄包丁なんか振り廻して飛び出さなきゃいいが」「そんなものですかね」「ところで此処が五重の塔だ」平次は谷中の五重の塔の前に立って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この五重の塔のてっぺんまでノコノコとやって来たろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...俺はもう一度五重の塔の頂上まで引返さなきゃならない」「そいつは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...谷中の五重の塔へ行ったが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お静」「五重の塔から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...眉の痕の青々とした素晴らしい年増――谷中の五重の塔の下に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...百両も――と思ったが何しろ五重の塔から持って降りるにゃ...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...道理で、五重の塔がある、淡島(あわしま)堂がある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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