...シャツ一枚になって二の腕までまくり上げた兄らの間には大きな林檎圧搾機が置かれて...
有島武郎 「フランセスの顔」
...二の腕まで露呈(あらわ)に白い...
泉鏡花 「薄紅梅」
...」「母は?」「行火(あんか)で、」と云って、肱(ひじ)を曲げた、雪なす二の腕、担いだように寝て見せる...
泉鏡花 「女客」
...そういえば千二の腕をつかんだ運転手の力は...
海野十三 「火星兵団」
...女の二の腕の裏側から腋の下へかけて...
海野十三 「深夜の市長」
...そして象牙(ぞうげ)のように真白で艶々(つやつや)しい二の腕をのばして牌(こま)を一つ捨てた...
海野十三 「麻雀殺人事件」
...二の腕の上を縛り...
直木三十五 「南国太平記」
...ただ、益満の手頼りなさと、耐えきれぬ夜の淋しさとに、袖を噛んだり、酒をのんだり、唄ったり――(本当に――こっちの惚れる男は、浮気者だし、惚れてくる奴は、いけすかないし――)と、思いながら――少し気が静まると(早く、益公、戻れば、いいのに――戻ってさえくれりゃ――)と、思いながら、柱へ、身体をすりつけて、投げ出した足を、しっかり締め合せて、自分の手で、自分の二の腕を、固く抱いてみた...
直木三十五 「南国太平記」
...しかし、こんな鉛の甲を身につけていては重くて身動きもできないから、完全防衛というわけにはゆかず、背中のほうとか、二の腕とか、もものあたりは普通裸で出ている...
永井隆 「この子を残して」
...自分の二の腕を捲つて見せるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甥(をひ)の吉太郎が放埒(はうらつ)のために勘當になると、私の昔の乳母だつた、お安といふ女を葛西(かさい)から搜し出して來て、いろ/\訊ねた末その頃私をさらつた者の人相から、小松屋を怨む筋の者を手繰(たぐ)つて、到頭私が四つの年に輕業師の南左衞門に賣られたといふことを突きとめ、それから、左二の腕に、火のやうな赤い痣(あざ)のあることを聽出して、それを證據に私を搜し出しましたが、橋の下から拾つて行つたのでは、親類方も世間も承知しないだらうと、小田原へ一年預けて、どうやら斯うやら昔の垢(あか)を洗ひ落し、小松屋へ乘込めるやうにしたのでございます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...斑組の中では多分良い顔だろう」「二の腕の入墨なら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...王様の二の腕へそっとあたしのしるしをつけておいたのです...
久生十蘭 「魔都」
...両方の二の腕で押しつけられ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...長崎屋の短刀を持った方の手の二の腕を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...脂ののった艶(つや)つやしい二の腕が覗(のぞ)いた...
山本周五郎 「ひとでなし」
...透きとおるような二の腕を...
夢野久作 「復讐」
...特に肩から二の腕へ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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