...アニキの行動を見ても八九分通りは悟られて来た...
魯迅 井上紅梅訳 「狂人日記」
...壱岐殿坂を九分通り登った左側の「いろは」という小さな汁粉屋の横町を曲ったダラダラ坂を登り切った左側の小さな無商売屋(しもたや)造りの格子戸に博文館の看板が掛っていたのを記憶している...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...九分通り鞭をすてて徒歩(かち)であるくに定(きま)つてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...まだ脚の方のつなぎを切ったりしない九分通り出来ている矮鶏の作を次の日の集まりの席へ持って行きました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...ちよいちよいあがるやうにしますから……』『子供も九分通り育て上げたからね!』『さういふわけでもないですけれども……』『近くなつたら...
田山録弥 「ある日」
...そういうものとしての目的を九分通りまでは達していると思われた...
寺田寅彦 「自由画稿」
...こういう商店の九分通りまで...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...九分通りは出来上っているが...
中里介山 「大菩薩峠」
...「どうして/\九分通り外だ...
長塚節 「土浦の川口」
...近代登山も初期の頃は、少数のまじめな学者や芸術家、趣味人などで、これはさすがに、分別もあれば思いやりもあったし、ましてそれ以前ともなると、ここらまで入って来る人間といえば、まず八、九分通り、信心深い山伏か道者たちだったから、俺たち草木にも鳥獣にも、めったな危害など加えぬばかりか、山の神の眷属(けんぞく)として、もったいないくらい、あがめ尊んでくれさえしたものだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ガラッ八は今度ばかり九分通り自分の手柄にして貰って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今は九分通りまで埋たてた上に...
羽田亨 「聚樂廻り」
...九分通り出来あがったと思う小さな安心があった...
本庄陸男 「石狩川」
...この時は九分通りまでを彼女自身の自由調で述べるのです...
牧野信一 「舞踏会余話」
...何かと理屈のついた用意はあつたらうが――実は私には八九分通り習慣から出て来た文章と思つてゐる――どうしてあゝいふ文体を撰ばれたかといふ二つの点である...
水野葉舟 「言文一致」
...税の滞納は村の九分通りだそうである...
宮本百合子 「今にわれらも」
...車内は九分通り満員だ...
宮本百合子 「北へ行く」
...工の半分以上商の九分通りまでが...
柳田国男 「家の話」
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