...北東に対して彼等は「丑虎」なる名を持つ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...丑之助が身軽に入つて了つた...
石川啄木 「天鵞絨」
...暫しは女の歔欷(すすりな)く声のみ聞えてゐたが、丑之助は、其漸く間断々々(とぎれとぎれ)になるのを待つて、『汝(うな)ア頬片(ほつぺた)、何時来ても天鵞絨(ビロウド)みてえだな...
石川啄木 「天鵞絨」
...片手にかな槌を持つた丑滿參りを想像して...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...(昭和丁丑の夏、其中庵にて 山頭火)銃後天われを殺さずして詩を作らしむわれ生きて詩を作らむわれみづからのまことなる詩を街頭所見日ざかりの千人針の一針づつ月のあかるさはどこを爆撃してゐることか秋もいよいよふかうなる日の丸へんぽんふたたびは踏むまい土を踏みしめて征くしぐれて雲のちぎれゆく支那をおもふ戦死者の家ひつそりとして八ツ手花咲く遺骨を迎ふしぐれつつしづかにも六百五十柱もくもくとしてしぐるる白い函をまへに山裾あたたかなここにうづめます凩の日の丸二つ二人も出してゐる冬ぼたんほつと勇ましいたよりがあつた雪へ雪ふる戦ひはこれからだといふ勝たねばならない大地いつせいに芽吹かうとする遺骨を迎へていさましくもかなしくも白い函街はおまつりお骨となつて帰られたか遺骨を抱いて帰郷する父親ぽろぽろしたたる汗がましろな函にお骨声なく水のうへをゆくその一片はふるさとの土となる秋みんな出て征く山の青さのいよいよ青く馬も召されておぢいさんおばあさんほまれの家音は並んで日の丸はたたく歓送これが最後の日本の御飯を食べてゐる、汗ぢつと瞳が瞳に喰ひ入る瞳案山子もがつちり日の丸ふつてゐる戦傷兵士足は手は支那に残してふたたび日本に孤寒だまつてあそぶ鳥の一羽が花のなか春風の蓑虫ひよいとのぞいたひよいとのぞいて蓑虫は鳴かないもらうてもどるあたたかな水のこぼるるをとんからとんから何織るうららかひなたはたのしく啼く鳥も蹄かぬ鳥も身のまはりはほしいままなる草の咲く草の青さよはだしでもどる草は咲くがままのてふてふ藪から鍋へ筍いつぽんならんで竹の子竹になりつつ窓にしたしく竹の子竹になる明け暮れ風の中おのれを責めつつ歩くわれをしみじみ風が出て来て考へさせる雷をまぢかに覚めてかしこまるがちやがちやがちやがちや鳴くよりほかない誰を待つとてゆふべは萩のしきりにこぼれ声はまさしく月夜はたらく人人だ雨ふればふるほどに石蕗の花播きをへるとよい雨になる山のいろそこはかとなくそこら木の葉のちるやうにゆふべなごやかな親蜘蛛子蜘蛛しんじつおちつけない草のかれがれしぐるるやあるだけの御飯よう炊けた焼場水たまり雲をうつして寒く死線 四句死はひややかな空とほく雲のゆく死をひしと唐辛まつかな死のしづけさは晴れて葉のない木そこに月を死のまへにおくいつとなく机に塵が冬めく草の実が袖にも裾にもあたたかな枯すすき枯れつくしたる雪のふりつもる水に放つや寒鮒みんな泳いでゐる一つあると蕗のとう二つ三つ蕗のとうことしもここに蕗のとうわかれてからのまいにち雪ふる母の四十七回忌うどん供へて、母よ、わたくしもいただきまする其中一人いつも一人の草萌ゆる枯枝ぽきぽきおもふことなくつるりとむげて葱の白さよ鶲また一羽となればしきり啼くなんとなくあるいて墓と墓との間おのれにこもる藪椿咲いては落ち春が来たいちはやく虫がやつて来た啼いて二三羽春の鴉で咳がやまない背中をたたく手がない窓あけて窓いつぱいの春しづけさ、竹の子みんな竹になつたひとり住めばあをあをとして草朝焼夕焼食べるものがない自嘲初孫がうまれたさうな風鈴の鳴る雨を受けて桶いつぱいの美しい水飛んでいつぴき赤蛙げんのしようこのおのれひそかな花と咲くまた一日がをはるとしてすこし夕焼けて更に改作(昭和十五年二月)草にすわり飯ばかりの飯をしみじみ行乞途上(改作追加)草にすわり飯ばかりの飯旅心葦の穂風の行きたい方へ行く身にちかく水のながれくるどこからともなく雲が出て来て秋の雲飯のうまさが青い青い空ごろりと草に、ふんどしかわいたをなごやは夜がまだ明けない葉柳並木秋風、行きたい方へ行けるところまでビルとビルとのすきまから見えて山の青さよ朝の雨の石をしめすほど行旅病死者霜しろくころりと死んでゐる老ルンペンと共に草をしいておべんたう分けて食べて右左朝のひかりへ蒔いておいて旅立つちよいと渡してもらふ早春のさざなみなんとうまさうなものばかりがシヨウヰンドウ宇平居石に水を、春の夜にする福沢先生旧邸その土蔵はそのままに青木の実ひつそり蕗のとうここで休まう人に逢はなくなりてより山のてふてふふつとふるさとのことが山椒の芽どこでも死ねるからだで春風たたへて春の水としあふれる水をへだててをとことをなごと話が尽きない旅人わたしもしばしいつしよに貝掘らううらうら蝶は死んでゐるさくらまんかいにして刑務所病院に多々桜君を見舞ふ投げしは白桃の蕾とくとくひらけ多々桜君の霊前にて桃が実となり君すでに亡しうららかにボタ山がボタ山に湯田名所大橋小橋ほうたるほたるこのみちをたどるほかない草のふかくも妹の家たまたまたづね来てその泰山木が咲いてゐて泊ることにしてふるさとの葱坊主ふるさとはちしやもみがうまいふるさとにゐるうまれた家はあとかたもないほうたる温柔郷裏の井子居きぬぎぬの金魚が死んで浮いてゐる華山山麓の友にやうやくたづねあててかなかな孤寒といふ語は私としても好ましいとは思はないが、私はその語が表現する限界を彷徨してゐる...
種田山頭火 「草木塔」
...丑之助君が何々有志諸君の万歳を呼ぶ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...そうすると早くも認めた丑寅(うしとら)の方一隅に向って...
中里介山 「大菩薩峠」
...――丑松は三年稼いでどれだけ溜めたか確かなところを捜(さぐ)ってみてくれ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...丑刻(やつ)(二時)が鳴り...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...丑松はその晩も留守...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殺されたのは丑刻(やつ)(二時)に丑刻半(三時)よりは遲くあるまいといふことです」「首を締めて居た前掛は――」「私ので御座いました」ガラツ八に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう子刻半(ここのつはん)過ぎ丑刻(やつ)近い時分でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...従って巳丑は十四日である)...
武者金吉 「地震なまず」
...「文化乙丑十二月...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...丑がみんなの前に皺(しわ)をのばして見せつけているのは...
吉川英治 「醤油仏」
...もう丑(うし)の頃(ころ)に近かった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...丑之助の背を叩いて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ほんとだと思った」丑之助は初めてほっと息をついていった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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