...却て不釣合の獲物に驚歎せしか...
石井研堂 「釣好隠居の懺悔」
...かの音吐朗々たる不釣合な聲も...
石川啄木 「雲は天才である」
...紡績飛白(かすり)の着物を裾短かに着て同じ地の羽織で胸方に細い小い紐を結んだのがそのぬうと高い異様な眼の光りを持つた人には非常に不釣合に見えました...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...哀愁をたたえた底知れぬ深さの碧眼(あおめ)が不釣合なほど大きく見えて...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...そう云う胴の全体が顔や手足に比べると不釣合に痩せ細っていて...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...上半身にくらべて不釣合に短い両脚や...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...この畫に添へる歌は前記姫だるま人形にかいた歌では不釣合なので...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...不釣合に長い後脚がうしろむきについてるのもをかしい...
中勘助 「銀の匙」
...私には不釣合な言葉かも知れませんから...
夏目漱石 「明暗」
...この不釣合いは、高度に発展した衛生は経験主義を基礎としており、正確な観察によるので、誤った学説のせいで失っているものはほとんどないことを、証明しているようだ...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...なんとなく不釣合な貧しい感じを與へます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なんとなく不釣合な貧しい感じを与えます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...十九のお富が不釣合とは言はさねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その不釣合(ふつりあひ)な熱情を努めて抑へるやうになさい...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その鼻緒商の家には大きな蒼々とした桐の木があり私のところの小庭にはそれ丈けが少し不釣合ひな位小高い松ヶ枝が一ともと忍返しの上へもの/\しく聳え立つてゐた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...そして四肢は不釣合に瘠(や)せている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...百姓の家には不釣合だ...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...滑稽なほど不釣合に烈しい...
和辻哲郎 「創作の心理について」
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