...陽には磊落(らいらく)らしく見えて実は極めて狭量な神経家たる紅葉は美妙が同人に抜駈(ぬけが)けして一足飛びに名を成したのを余り快よく思わなかったらしい...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...いくばくもなく風説の女主人公たる貴夫人の夫君が一足飛びの栄職に就いたのが復(ま)たもや疑問の種子となって...
内田魯庵 「四十年前」
...今の人間が一足飛びにその真似をしようと望むのは...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...一足飛びに大金持になれるものと心得...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...」少年は長椅子から一足飛びに跳(と)び下りて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「小波瀾」
...だが一足飛びに常識学派の場合に来た方が吾々の話しが簡潔になる...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...扉から欄干(らんかん)を一足飛びに縁の敷石の下まで飛び下りた身の軽さ...
中里介山 「大菩薩峠」
...声のしたところへ一足飛びに走って来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...小石川の陸尺(ろくしゃく)町から一足飛びに飛んで来ましたぜ」「二年前に死んだ人間が人を殺した?」「その上まだまだ四五人は殺してやるというんだから大変で――」「誰がそんな事を言うんだ?」「二年前に殺された人間ですよ」「さア解らねえ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一足飛びに母家へ飛び込んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...梯子(はしご)を一足飛びに降りようとして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一足飛びに路地の外へ――...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一足飛びに平民の世界がくるように思えていて...
長谷川時雨 「最初の外国保険詐欺」
...九太は一足飛びに他人になったような...
林芙美子 「帯広まで」
...彼からの最近の伝へに依ると彼女のサービス振りは抜群の成績で間もなく一足飛びに昇給するであらうといふことで...
牧野信一 「三田に来て」
...一足飛びの早業だ...
牧野信一 「武者窓日記」
...一足飛びに大卓子(テーブル)をめぐって部屋の外へ飛び出した...
夢野久作 「白菊」
...我れ知らずもう一足飛び退いたところを...
吉川英治 「剣難女難」
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