...人が半日で思いつくところを俺(わ)しは一日がかりでやっと追いついて行くありさまだから……」そう言って父は取ってつけたように笑った...
有島武郎 「親子」
...道にまよいましたが、一日がかりで、やっと、夜になって、ふもとに、たどりついたのです...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...それは一日がかりの仕事だった...
高見順 「いやな感じ」
...ほとんど一日がかりで私の陋屋(ろうおく)を捜しまわり...
太宰治 「鴎」
...一本の手紙を一日がかりで書くのであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ほとんど一日がかりの墓参りであったらしい...
寺田寅彦 「柿の種」
...何しろ、えらい岩のはざまに食い込んでいるので、岩を壊してとるのだから、一日がかりで二、三本と掘れないそうだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...紐育(ニューヨーク)から二十一日がかりで...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...こっちは一本の手紙を書くのに一日がかりなのだから...
中谷宇吉郎 「雪雑記」
...この間も大久保まで一日がかりで行って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こんな一日がかりの旅行なぞせんでもすんだんじゃないかのう...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...一日がかりの仕事故...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私の外出が(一日がかりの)多くなれば人はいなければなりませんし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...永い一日がかりでもまだ啼き切れなかったように...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...その赤い鳥は藍丸の王宮から逃げ出して今大勢の兵隊に一日がかり探されている彼(か)の赤鸚鵡と寸分違わなかったが...
夢野久作 「白髪小僧」
...一日がかりでその傍の...
横光利一 「夜の靴」
...あそこを今日は一日がかりで撮ろうと思ってるんだ...
横光利一 「旅愁」
...郵便物はその麓に當る島々村から八里の山路を登つて一日がかりで運ばるゝのである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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