...したがって小さい時から孤独で(父はその上一人子であった)ひとりで立っていかなければならなかったのと...
有島武郎 「私の父と母」
...一人子(ひとりっこ)の母親って...
海野十三 「新学期行進曲」
...曲りなりにもなお母一人子一人として互に頼り合っていることの出来るのはその母の執着――愛――の力である...
高浜虚子 「子規居士と余」
...それは広栄の一人子の広義で...
田中貢太郎 「春心」
...「親一人子一人のたよりない方々でござりましたから...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...親一人子一人の時代だったから...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...……・ボタ山も灯つてゐる別れる夜の水もぞんぶんに飲み・しぐるゝ今日の山芋売れない親一人子一人のしぐれ日和で新道まつすぐな雨にぬれてきた砂利を踏む旅の心焼き捨てる煙である塵である車...
種田山頭火 「行乞記」
...水入らずの親一人子一人の暮しを...
田山録弥 「くづれた土手」
...それはこのずつと奥の方に住んでゐる農家の一人子息で...
田山録弥 「くづれた土手」
...わたしの子ですから、一人子ですから...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...契(ちぎ)りは深(ふか)き祖先(そせん)の縁(えん)に引(ひ)かれて樫(かし)の實(み)の一人子同志(ひとりこどうし)...
樋口一葉 「別れ霜」
...車夫(しやふ)の茂助(もすけ)が一人子(ひとりこ)の與太郎(よたらう)に...
樋口一葉 「われから」
...只一人子と云うものが何かに付けてお久美さんの肩を持ち...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...宮と御息所は親一人子一人で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...老いたる夫婦の中の一人子(ひとりご)であった...
柳田国男 「海上の道」
...一一この女というは母一人子一人の家なりしに...
柳田国男 「遠野物語」
...それは一人子の道之進にとってさえ近づきにくい...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...自分の家にまた一人子が殖(ふ)えていたのだ...
吉川英治 「新書太閤記」
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