...妙にやる瀬ないさびしい気分になっていた...
有島武郎 「或る女」
...そのくせその態度は反対にますますたよりなげなやる瀬ないものになっていた...
有島武郎 「或る女」
...木村のやる瀬ない心の中が急に葉子に逼(せま)って来た...
有島武郎 「或る女」
...やる瀬ない悲哀がどっとこみ上げて来た...
有島武郎 「或る女」
...やる瀬ない恨みと憤りが目もくらむほどに頭の中を攪(か)き乱した...
有島武郎 「或る女」
...やる瀬ない悲しさを訴えはじめるのでした...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...悲しいといっても、その悲しいのは、やる瀬ない、たよりのない、息苦しい悲しみ、悶(もだ)えの心ではなく、身心そのままを、限りなき広い世界へうつされて行くような、甘い、楽しい、やわらかな色を包むの悲しみであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほんとにやる瀬ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...やる瀬ない思を嘆き訴へたのではなからうかと...
長谷川時雨 「水色情緒」
...やる瀬ない事情なもんだから...
久生十蘭 「あなたも私も」
...やる瀬ない境に引き込んでゆくのであった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その時にもまさってやる瀬ないように思われた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...また一方のやる瀬ない人の世の寂しさも紛らしておいでになったのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この半蔵は日頃からやる瀬ない思いを焦(こが)していたのでござる...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...やる瀬ないものじゃないか」「待ってくれ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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