...もの静かな幸福に溢れてゐる...
芥川龍之介 「あばばばば」
...相不変(あいかわらず)もの静かな声で...
芥川龍之介 「邪宗門」
...そのもの静かな森の路をもの静かにゆきちがった...
芥川龍之介 「日光小品」
...初七日(しょなのか)を越した家の中は気味の悪いほどもの静かだった...
芥川龍之介 「冬」
...そうすると今までもの静かであった四辺が俄(にわか)に騒々しいような気がして...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...もの静かさをもとめるのは無理なのかも知れない...
上村松園 「四条通附近」
...七日になりましても未だ御答弁がない」もの静かな口調でまずその不誠意を咎め...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...これはもの静かな口数の少い好青年で...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...もの静かに後片付けをして...
富田常雄 「面」
...もの静かに思想を交換するさまは...
新渡戸稲造 「自警録」
...つまり、もう一方の男は髯面の男よりも大きいわけでなく、ずっと髯は少なかったが、もの静かな、ゆっくりとものを考える男で、身体つきがゆったりとし、顔の幅も広く、頭を垂れたままでいた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...もの静かな調子でつぶやいた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...もの静かに衣(きぬ)ずれの音をさせて...
堀辰雄 「ほととぎす」
...一方はもの静かな湖水がそうさせたのかも知れません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...喪服の武将たちの影が、もの静かに、二の丸へ渡っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...もの静かに見うけられました」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...さすがに、恟(ぎょ)ッとしたらしく、美眸の睫毛(まつげ)に、露のような戦慄をさせかけたが、もの静かに、『大学様、おしとねを、お敷(あ)て遊ばしませ』『それ所ではありません...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...盲目の峰阿弥法師は与えられた席へ琵琶をかかえてもの静かに坐って...
吉川英治 「親鸞」
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