...停(と)まるともなく進行を止めていた絵島丸は風のまにまに少しずつ方向を変えながら...
有島武郎 「或る女」
...折しも微吹(そよふ)く風のまにまに...
巌谷小波 「こがね丸」
...梅が香そよと吹きくる風のまにまに匂ひ...
上田敏 「月」
...船は碎け、筏は崩れ、帆はあれど、めあてなく、波のまにまに、影の夢、青い夢、堰(せき)に裂(さ)け、波に散り、あともない...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...気がついたときには、たるはしずみもせず、波のまにまに、ただよっているようでしたが、体はぐったりつかれて、ねむくてしかたがありません...
海野十三 「電気鳩」
...「僕(あ)が子ども二神の白せるまにまに...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...ここを以ちて白したまふまにまに...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...下照(したて)る姫のお泣きになる聲が風のまにまに響いて天に聞えました...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...不可言の芳香をただよはせて風のまにまに空間を満たすのである...
高村光太郎 「智恵子抄」
...水面に浮んで風のまにまに帆かけて走る章魚の一種がある...
寺田寅彦 「話の種」
...風のまにまに吹き散らされている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...風のまにまに波のようにうねっていた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...すべり出でたるその跡より一座の人々誰彼とおのがまにまに祝いを述べつ...
三宅花圃 「藪の鶯」
...日の光のまにまに浮いて見えたのであった...
室生犀星 「幻影の都市」
...王女や小鳥や孔雀のむれは間もなくパヴロアの舞踏を見た粉ぽい西洋紙がまるめられ音楽のまにまに舞ひ沈みながらゐたどこから入つてきて止つたのか肉じばんをはいたパヴロアの長いしなやかな足さきに青い一匹の蝗(いなご)が止つて足掻(あが)いてゐた...
室生犀星 「忘春詩集」
...空気の圧(あつ)の変るまにまに己は弄ばれて変るのか...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...夫人の命令のまにまに与えられた地形図を図案化して刺青する技術師に過ぎなかった...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...鈍重な波のまにまに...
横光利一 「上海」
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