...ボーツと顔を打つ暖気(あたたかさ)に又候(またぞろ)思出した様に空腹を感じた...
石川啄木 「病院の窓」
...唯今は、またぞろ、ある宮家に納まるべきものに筆を着けています...
上村松園 「靄の彼方」
...またぞろ右手を上げた...
海野十三 「火星兵団」
...いついかなる手をもちいて又候(またぞろ)暴逆の挙に出てくるか分らない...
海野十三 「蠅男」
...これで又候(またぞろ)意地が突っ張って...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...またぞろぞろ這ひ出して...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...またぞろすぐと不覚に陥(おちい)っちまう...
夏目漱石 「坑夫」
...彼は船長室へ又候(またぞろ)はいって行った...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...「それが」と、原田雲井は、細い眼を光らせて、「またぞろ、絶対多数を取るちゅう算段をしよるらしかばい...
火野葦平 「花と龍」
...またぞろ翌日から寄席廻りをはじめた...
正岡容 「寄席」
...また一色右馬介も、「つい昨夜のこともあり、またぞろ、どんな御危難が待たぬともかぎりません...
吉川英治 「私本太平記」
...――そのため、まもなく仁木、細川、今川、吉良などの味方を加えるには加えたが、鷺坂のふせぎもならず、またぞろ、駿州の手越河原まで敗退するの余儀ない破目(はめ)になってしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...またぞろな降参など...
吉川英治 「私本太平記」
...真相は伝わり難いものだが、またぞろ、信雄秀吉間の不和が、濃密な複雑さをつつんで、再燃(さいねん)して来たことは確かだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...またぞろその直後...
吉川英治 「新書太閤記」
...頭と頭とを絡(から)み合った四本の脚が、またぞろ、麓(ふもと)の居酒屋へよろけ込んだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...月輪の姫とのことで、ぼろを出すと叡山(えいざん)に逃げこみ、叡山もあやうくなると吉水へかくれ、そろそろ、世間のうわさが下火になったと思うと、またぞろ、岡崎の一ツ家に移っている...
吉川英治 「親鸞」
...又候(またぞろ)同様なことをいって来たので...
吉川英治 「宮本武蔵」
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