...どうぞこちらへ」女中は二人をまじまじと見やりながら...
有島武郎 「或る女」
...そのくせどこかに鋭い光のある目をあげてまじまじと葉子を見始めた...
有島武郎 「或る女」
...渡瀬はまじまじと大ぎょうな金色に輝くその懸時計を見守って値ぶみをしていた...
有島武郎 「星座」
...皆は赤い光りの中でまじまじと顔を見合せながら...
豊島与志雄 「影」
...そして私はまじまじと彼女の顔を見つめた...
豊島与志雄 「小説中の女」
...」二人はまじまじと眼を見合った...
豊島与志雄 「波多野邸」
...……あなたも少し行ってきちゃどう?」そして彼女はまじまじと周平の顔を見戍った...
豊島与志雄 「反抗」
...僕の顔をなおまじまじと見入ってきた...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...まじまじとかの女を見つめていた...
林不忘 「あの顔」
...富岡はまじまじと女の狂態を眺めながら...
林芙美子 「浮雲」
...槇氏の顔をまじまじと眺(なが)め...
原民喜 「廃墟から」
...馬の尻尾から鼻面までまじまじと見まわした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...かの女は親方の顔をまじまじと見た...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...一つ一つの指の爪についている白い半月形をまじまじと眺めました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...」男の顔をまじまじと見たが...
室生犀星 「香爐を盗む」
...まじまじと典膳のすがたをながめて...
吉川英治 「剣の四君子」
...まじまじと人の顔を見るくせである...
吉川英治 「私本太平記」
...御承知のとおりてまえは、堺の薬種問屋、小西屋寿徳(じゅとく)の次男と生れ、のちに岡山御城下の同業の家へ養子として参り、たえず堺と中国を往来し、諸家へ、薬をお納めしておりますが、これはなかなか悪い身分ではございません」「……ふム」へんなことをいう臆面(おくめん)のない男だと、秀吉は、感心しているような、またすこし、鼻白(はなじろ)んだような面持(おももち)で、まじまじと、弥九郎の唇(くち)もとを見まもった...
吉川英治 「新書太閤記」
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