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石川啄木 「一握の砂」
...黙然として団扇(うちは)の房をまさぐるあり...
石川啄木 「閑天地」
...寂寞(じやくまく)大海(だいかい)の禮拜(らいはい)して、天津日(あまつひ)に捧ぐる香(かう)は、淨まはる潮(うしほ)のにほひ、轟く波凝(なごり)、動(ゆる)がぬ岩根(いはね)、靡く藻よ、黒金(くろがね)の船の舳先(へさき)よ、岬(みさき)代赭色(たいしやいろ)に、獅子の蹈留(ふみとゞま)れる如く、足を延べたるこゝ、入海(いりうみ)のひたおもて、うちひさす都のまちは、煩悶(わづらひ)の壁(かべ)に惱(なや)めど、鏡なす白川(しらかは)は蜘手(くもて)に流れ、風のみひとり、たまさぐる、洞穴口(ほらあなぐち)の花の錦や...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...黒金(くろがね)の船の舳先(へさき)よ、岬(みさき)代赭色(たいしやいろ)に、獅子の蹈留(ふみとどま)れる如く、足を延べたるこゝ、入海(いりうみ)のひたおもて、うちひさす都のまちは、煩悶(わづらひ)の壁に悩めど、鏡なす白川(しらかは)は蜘手(くもて)に流れ、風のみひとり、たまさぐる、洞穴口(ほらあなぐち)の花の錦や...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...片手がまさぐるように...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...こゝらであろうと見当を付けてまさぐると...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...たゞ靜かに珠數をつまさぐるやうにして坐つてるた...
田山花袋 「道綱の母」
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峠三吉 「原爆詩集」
...日光の重圧に 化石の痛苦味ひつゝある若者らにも母親の乳房まさぐる幼年の至純なる淫猥の皮膚感覚をとり戻し劫初なる淵(わだ)の面(おも)より汲み取れるほの黒き祈り心をしたゝらす……おんみ 天鵞絨の黒衣せる夜(よる)...
富永太郎 「夜の讃歌」
...その沈默をまさぐるやうに急に鐘の響が聞えた...
「修道院の秋」
...懐中(ふところ)をまさぐると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ガラツ八は懷中の捕繩などをまさぐるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兩(ふ)た親だつて知らない筈はありません」八五郎は長い顎をまさぐるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...錆びついた壁のひゞわれにしみこんでは百人の少年たちの海燕のような心臓をひんまげては急かし立てる校舎で猫背になり僕は室の中で真直ぐに立とうとするねずみもちのような時代を過したのだ止めよう! 石膏のぼろ/\落ちた美術室の飾棚の上で首の落ちた少年像をまたまさぐるなんて!カラーの折り込みに苦心する級友の間で...
槇村浩 「青春」
...片手で男の髪をまさぐるのが癖であつた...
眞山青果 「茗荷畠」
...いきなり□□(二字アキ)をまさぐるやうな美しい動かない力で...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...快(こころよ)く髯をまさぐる微風に目を細めています...
吉川英治 「江戸三国志」
...母が巾着の底からまさぐる銭の間に...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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